宿泊はチェックインの手間があってもエアビーがお勧め!
そして、旅費を抑えるうえでもう1つ、重視しなければならないのが宿泊先。普通に手ごろなホテルに泊まろうとしても、1ユーロ=160円の今は1万円以下というのはほとんどないからだ。
見本市(メッセ)が開催されていない時のフランクフルトやデュッセルドルフなどは、6000~7000円のホテルが見つかることもあるが、9月は毎週のようにメッセが開かれているため、料金が3~4倍に跳ね上がるケースも少なくない。1泊=5000円程度で東横インやスーパーホテルに泊まれる日本の感覚のままだと、本当に痛い目に遭うことになる。
ホテルだと食事も外食になるので、滞在費がさらに上がってしまう。それを避けるため、筆者はAirbnb(略称=エアビー)を積極利用している。
エアビーは貸主の持つ1部屋を借りる、物件ごと借りる…など選択肢はいくつかあるが、キッチンを使えて料理ができるし、インターネット環境もホテルよりは安定していることが多くて、普通に自宅にいるように過ごせるのが大きい。
問題があるとすれば、チェックイン時のカギの受け渡しかもしれない。サイト上ではセルフチェックインの物件も選べるが、だいたいはキーボックスか本人立ち合いになる。そこですれ違いが起きたり、うまくコミュニケーションが取れずに部屋に入る際、想像以上に苦労することも確かにある。それでも、簡単な英語でやり取りできるし、オーナーが親切なことも多い。料金も1週間単位で借りれば週割もあってお得だし、何より自宅にいるように生活できる。そのメリットは大きいのだ。
このようにさまざまサイトをチェックし、旅程を作成し、実際に動いているわけだが、慣れればそんなに難しくはない。仕事を抱えながらということでトラブルが起きた時は辛いが、これまで30年近くライター業をやってきて、海外取材に穴を空けたケースは皆無に近い。人間、何事も慣れが大事。超円安時代だからこそ、どこまでコスト削減できるかにトライしてみるのもまた一興だ。
取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。