ユーロウイングスやウィズエア、トゥイフライなど欧州LCCは要チェック
次に欧州内移動だが、日本ではあまり知られていないLCCが数多く飛んでいるのを認識しておくことが重要だ。今回、筆者がブダペストからデュッセルドルフへ移動する際に利用した「eurowings(ユーロウイングス)」などは、まさに好例だろう。
同社はデュッセルドルフに本拠地を置く航空会社。世界20か国以上に幅広いネットワークを持っている。ドイツだけを見ても、デュッセルドルフのみならず、ハンブルク、ケルン=ボン、シュツットガルトなどからロンドン、パリ、ローマなど主要空港へダイレクト便を運航している。フランクフルトやベルリン、ミュンヘンなどはフラッグキャリアが多く飛んでいるが、それ以外の空港から移動した方がスムーズな場合も少なくない。そこは1つ頭に入れておくべき点だろう。
実は2月の渡欧の際にも、試合と試合の合間の数日間を利用して、ユーロウイングスを使ってデュッセルドルフとベネチアを往復した。その際の片道の運賃は何と8000円程度という安さだった。この時は23キロのスーツケースを持たずに移動したので運賃だけで済んだが、荷物料金を加えると倍くらいになってしまう。そこがLCCの難点ではある。イージージェットやライアンエア、Wizz Air(ウイズエア)、Tuifly(トゥイフライ)など他の会社にしても同様なので、スーツケースを預ける場合はさまざまなフラッグキャリアを含めて料金を検討した方がベターと言えるかもしれない。
ブダペスト空港のユーロウイングスのチェックインカウンターの表示(筆者撮影)
欧州では日本で認知度の低い航空会社のフライトが数多く飛んでいる(筆者撮影)
レイルパスは日程にゆとりを持って購入を!
欧州は鉄道網も整備されているから、レイルパスを使った移動も一案だ。連日のように各地を回って試合に行く筆者のような人間にしてみれば、仕事の終わりが読めない分、事前予約なしに飛び乗れる鉄道は使い勝手のいい乗り物なのだ。もちろん欧州の鉄道は遅れることが少なくないし、突然キャンセルになったりすることもあるから要注意だが、逆に遅れてくれたおかげで終電に飛び乗れたというケースもあった。
夜遅い移動に関しては、filxbus(フィリックスバス)などの高速バスも活用可能だが、移動時間や道中での作業を考えるなら、やはり鉄道の方がベターと言っていい。
その際、チケットの買い方は1つのポイントになる。旅程が明確に決まっていれば、各国の鉄道サイトから早い段階で買えばかなりの割安になる。が、旅程が決まっていない、あるいは流動的という人はレイルパスを使うのが一番いい。
欧州レイルパスに関しては、以前は1カ国パス、2~3カ国のセレクトパス、33カ国全部を使えるグローバスパスの3種類から柔軟に選択できたが、現在は1カ国パスか33カ国のグローバルパスのどちらかを選ぶことになっている。
数カ国を移動する筆者はグローバルパスをよく買っている。断続的に使うなら「1カ月・4日間」から「2カ月有効・15日間」までバリエーションがあるし、連続使用タイプなら15日間~3カ月間まで幅広い選択肢がある。もちろん日数や期間が増えるほど料金は上がっていくが、短期間より長期間のパスの方が割安になる。だからこそ、多めの設定で買うのがお勧めだ。
ドイツなどでは、近距離期間でもかなり鉄道料金が高いため、レイルパスを使った方がお得になるケースも少なくない。例えば、 デュッセルドルフに滞在して、近隣のメンヘングラードバッハやドルトムント、ゲルゼンキルヘンなどに往復しようとすると、移動時間は片道1時間程度なのに、往復料金が5000円超になってしまう。東京~平塚往復=2000円強の感覚で考えていると痛い目に遭うのだ。
1ドル=145円換算で、1カ月有効・7日間のパスだと5万8000円弱だが、2カ月有効・10日間の方は約70000円(いずれも28~59歳、27歳以下のユースパス、60歳以上のシニアパスは割引になる)。1万2000円の差をどう見るかは人によるが、筆者は上記のような失敗経験があるので、高い方を選んでいる。
今はモバイルパスを簡単に携帯電話に入れられるし、Thalys(タリス)やTGVのように予約が必要な場合もスムーズにできる。紙のレイルパスの時代のように、いちいち鉄道オフィスに行って並ぶ手間もないため、かなり使いやすく、効率的だ。このようにLCCとレイルパス、場合によっては格安バスの併用で、欧州内移動はよりスムーズになるはずだ。