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キリンが回収時にラベルを剥がす手間を解消したリサイクル対応ペットボトル ダイレクト印刷技術を開発

2023.09.04

キリンホールディングス(以下キリン)のパッケージイノベーション研究所は、ペットボトルに直接印刷できるリサイクル対応ペットボトル ダイレクト印刷技術(Recyclable Direct PET bottle Printing technology、以下RDP技術)を開発。国内のペットボトルリサイクル推進に取り組むPETボトルリサイクル推進協議会に申請した。

ペットボトル直接印刷見本(商品は架空のものです)

技術開発の背景〜ラベルを分別する負担も軽減

ペットボトルのラベルは、ブランドを訴求するとともに、商品として販売する際の製造者情報や賞味期限、原材料など定められた表示のために必要なもの。

一方、使用済みペットボトルを回収してペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」を推進するためには、ラベルを分別して回収をする必要があるが、駅や商業施設など家庭以外から回収されるペットボトルは、分別する手間や回収の負担からラベルが分別されない場合が多く、ペットボトルの資源循環の課題となっている。

そこで同社では、今回の発表に際して「“プラスチックが循環し続ける社会”の実現に向けて、必要な表示は残しながら、ラベルやシールに使うプラスチックを削減し、同時にお客様がラベルを分別する負担も軽減する技術として、日本ではまだ実用化されていないRDP技術を開発しました」と述べている。

今回の開発技術について〜リサイクル工程の洗浄時に分離するインクを使用

従来のインクでペットボトルに直接印刷した場合、リサイクル工程でインクが剥がれず、リサイクル後のPET樹脂へ着色が残ったり、透明性や品質が損なわれるリスクがあった。

そのため、PETボトルリサイクル推進協議会の定めるガイドラインでは、直接印刷を禁止している。この技術課題に対して、当社パッケージイノベーション研究所は、富士フイルムが開発した剥離インク(※)を使用し、そのインクをリサイクル工程で剥離できる技術を開発した。

この技術により、RDP技術で印刷した表示やバーコードなどは、購入者の飲用時には剥がれず、リサイクル工程の洗浄時に剥がれ、分離させることに成功したという。
※ 樹脂との密着力を制御することで、リサイクル工程の洗浄液中で剥がれ、樹脂と分離できるインク

独自のデジタル印刷技術

ペットボトル直接印刷見本(商品は架空のものです)

今回のRDP技術では、同社独自の「デジタル印刷技術」を採用しており、従来のラベル印刷に必要な製版が不要になった。これにより、ペットボトル一本ごとに個別のデザインの印刷も可能であり、多様なニーズに対応できるという。

またペットボトルに直接印刷できるため、これまでのラベルに比べて、基材となる樹脂フィルムが不要となり、ペットボトル一本当たりのプラスチック使用量は約8%(※)、ラベルの使用によるGHG排出量のうち約84%(※)の削減を達成。

高度なデジタル印刷技術により、原材料表記やバーコードのような微細な印刷にも対応。ペットボトルの透明感も損なわれず、またフルカラーで視認性やデザイン性に優れた表現も可能だという。
※ シュリンクラベルとの比較(当社比)

今後の展開

キリングループは、環境負荷軽減の取り組みの一環として、「キリングループプラスチックポリシー」を策定し、ペットボトルの資源循環の推進やワンウェイプラスチックの削減、ペットボトル原料の持続性向上を目指している。

同社は、当RDP技術を自社利用に留めず、ライセンスアウトなどの手段も含めて広く展開していくことで、“プラスチックが循環し続ける社会“の早期実現を目指すという。

この件に関しては、「お客様のラベルを剥がす負担を軽減することでリサイクルをより手軽にするとともに、ラベルレスボトルでも魅力的なデザインの創出を通じて、CSV(※ )経営を推進していきます」とコメントしている。

※ Creating Shared Valueの略。ユーザーや社会と共有できる価値の創造

関連情報
https://www.kirinholdings.com/

構成/清水眞希

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