アイデアノミカタ「文豪たちが愛した万年筆」
今回のアイデアノミカタは「文豪たちが愛した万年筆」です。
なぜ人は万年筆に魅了されるのでしょうか?
万年筆は、その洗練されたデザインと独特な書き心地から、多くの文豪たちに愛されました。
現代でもあえて万年筆を使うのは、そのメカニカルな構造とアナログな面白さに惹かれる人が多いことも理由のひとつではないでしょうか。
そこで今回は、日本や世界の文豪が愛用した代表的な万年筆を紹介します。
また文豪たちの創作に少なからず影響を与えた万年筆の魅力や歴史に迫っていきます。
PARKERを愛した文豪たち
1888年にジョージ・S・パーカーが「ラッキー・カーブ・ペン」を発売したことがパーカー創業のはじまりです。
その後”ビッグレッド”の愛称で親しまれた「デュオフォールド」が大ヒットします。
なかでも1941年に発売された「パーカー51」は細身の流線型モデルであり、
文豪ヘミングウェイ(1899-1961)が愛した万年筆としても有名です。
この万年筆は「世界で最も愛されるペン」としても知られ、ヘミングウェイの物語を静かに力強く支えたのではないでしょうか。
その他にもパーカーはコナン・ドイル、武者小路実篤などの文豪が愛したことでも知られます。
PELIKANを愛した文豪たち
1929年にドイツのインク業界で既にトップメーカーだったペリカン社が製造を開始した万年筆が「ペリカン」です。日本では井伏鱒二(1898-1993)が愛用したことでも知られ、小説「黒い雨」のなかに「万年筆ぐらいな太さの棒の様な雨」という描写があります。
その他にもトーマス・マン、レマルクなどの文豪が愛したことでも知られています。
筆記具の製品名はアルファベット+数字で表記されますが、
吸引式万年筆に部類される「M」はドイツ語で「機械」を意味するMechanikが由来です。
またカートリッジ式万年筆に分類される「P」は「筒」を意味するPatronenの頭文字です。