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ポーラが宇宙に着想して肌と骨の知られざる関係を発見、乾燥トラブルの一因は骨ホルモンの機能低下

2023.09.02

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は、宇宙に着想した 肌と骨の研究を行ない、以下の知見を発見した。

1. 骨から分泌される「オステオカルシン」が皮膚の保湿・バリア機能形成に重要な役割を果たす (図1)
2. 身体的ストレスによって分泌が低下するオステオカルシンは精神的ストレスによっても働きが抑制される
3. ホホバとクローブの複合エキスは、オステオカルシンの働きを補う

この知見は日本薬学会第143年会にて発表された。

宇宙飛行士はなぜ乾燥肌に悩むのか? 宇宙から着想を得て骨から分泌される「オステオカルシン」に着目

宇宙飛行士からは、国際宇宙ステーション(ISS)内で乾燥肌のトラブルを経験したとの報告があり、その要因として船内の湿度の低さが挙げられるが、他に「微小重力」の影響も無視できないと考えられている。

そこで同社では、微小重力が身体に及ぼす影響の中に、乾燥肌の新たな要因が潜んでいると考えて研究を開始したという。

本研究で着目したのは、骨が分泌するホルモンの一種「オステオカルシン」だ。

このホルモンは、骨に荷重負荷がかかると分泌が促進されるため、重力や運動の影響に乏しい宇宙では、骨への刺激が弱く、分泌量が低下しやすいと推察される。

そこで地上での日本人女性を対象とした調査や細胞・皮膚モデルによる実験により、オステオカルシンの低下が肌に及ぼす影響を調べた。

オステオカルシンは皮膚バリア機能を高めていた 

研究により、血中のオステオカルシン濃度が高いと、皮膚のうるおいを守るバリア機能が高いことがわかった (補足資料2)。

そのメカニズムを調べると、オステオカルシンはバリア機能やうるおいに寄与する因子群の発現を包括的に高めていることが判明 (図1、補足資料3)。

さらには精神的ストレスでオステオカルシンの働きが妨げられることも判明した (補足資料4)。

オステオカルシンの働きを補うために 

オステオカルシンの働きを補うエキスを探索した結果、ホホバとクローブの複合エキスに効果を見出した (補足資料5、6)。

ストレス環境下でも美しく快適に うるおいある肌へ(図2)

本研究より、骨への荷重負荷の減少と精神的ストレスがオステオカルシンの分泌や機能発揮を妨げ、乾燥肌の要因として無視できないことがわかってきた。

運動不足やストレスは現代社会を生きる誰しもに起こり得る。肌と骨の結び付きを明らかにした本知見について、同社では「ストレス環境下でのうるおいある肌の実現に向けて貢献できるものと考えています」とコメントしている。

補足資料2 オステオカルシンと角層機能の関係性

40-50代の日本人女性55名を対象に、オステオカルシンの血中濃度と皮膚バリア機能の関係性を検証した。

その結果、オステオカルシンの血中濃度が高いほど、経皮水分蒸散量が低い、つまり皮膚バリア機能が高いことが示唆された (図3)。

補足資料3 オステオカルシンがバリア機能に関わる因子群の発現に及ぼす影響

オステオカルシンが皮膚バリア機能をどのように制御するか明らかにするために、角層の重要な働きであるバリア機能や保湿に寄与する因子群の発現に及ぼす影響を検証した。

オステオカルシンを表皮細胞あるいは三次元皮膚モデルに添加すると、各因子の発現が増加した(図4)。つまりオステオカルシンは、バリア機能や保湿に寄与する因子群の発現を高めることで、角層機能を総合的に高めることが明らかになった。

補足資料4 精神的ストレスがオステオカルシンの働きに及ぼす影響

宇宙環境は、自然や社会からの隔離空間、生死と隣り合わせの緊張感等から、精神的ストレスの影響が軽視できない。そこから着想を得てストレスがオステオカルシンの働きに及ぼす影響を検証した。

ストレスを模した刺激としてストレスホルモンであるコルチゾール(※2)が存在すると、オステオカルシンのバリア機能関連遺伝子群の発現を高める効果が抑制された (図5)。

この結果は、ストレスがかかると、オステオカルシンによるバリア機能の促進効果が弱まってしまう可能性を示している。
※2 生体に精神的ストレスがかかると分泌量が増えるホルモン

補足資料5 オステオカルシンの働きを補う複合エキスを同定

オステオカルシンの働きを補うために、オステオカルシンが働きかける、バリア機能や保湿に寄与する因子群の発現を高めるエキスを探索した。表皮細胞あるいは三次元皮膚モデルにエキスを添加し、各因子の発現を検証したところ、ホホバとクローブの複合エキスに効果を見出した (図6)。

補足資料6 ストレス存在下における複合エキスの効果

オステオカルシンの効果は、ストレスがかかると弱まってしまう可能性を示してきた。では複合エキスの効果は、ストレスにより影響を受けるのか。

表皮細胞に、オステオカルシン、ストレスホルモンであるコルチゾール、および複合エキスを添加し検証したところ、複合エキスは、ストレスホルモン存在下においてもバリア機能関連遺伝子群の発現を高めることが明らかになった (図7)。

つまりホホバとクローブの複合エキスは、オステオカルシンの働きが低下するさまざまなシーンにおいても、皮膚バリア機能を維持・向上させ、うるおいある肌の実現に有効である可能性がある。

関連情報
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20220322.pdf

構成/清水眞希

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