ノートPCなのに「デュアルSIM」に対応!?
VAIO S13、VAIO Pro PGは、オプションでLTE通信にも対応。物理的なSIMカードが挿入できるほか、eSIMにも対応しており、デュアルSIM利用も可能となっています。
デュアルSIMは、スマートフォンでよく耳にする用語で、2つの回線を1台のデバイスに登録しておくというもの。通信回線は、場所によって繋がりやすい、繋がりにくいといった差があるほか、通信障害といった緊急事態に備えるという意味でも、2回線の契約をしていると、ほとんどの状況で安定した通信ができるため有用です。
ノートPCの場合、基本的にスマートフォンほど常に通信をする必要はないものの、商談の際などに安定した通信環境を維持できるのは、スムーズに話を進められるという意味でも重要。また、Wi-Fi環境が整っていない屋外でWeb会議に参加しないといけない状況などでも、安心できるでしょう。近年はデュアルSIM用に、各通信キャリアやMVNO事業者から、比較的安価な料金プランも提供されているので、ノートPCのデュアルSIM運用を始めるには、いいタイミングともいえるでしょう。
VAIO S13、VAIO Pro PGにおいては、ベゼルの狭額縁化が進んでいるため、アンテナを組み込むこと自体が難しいのですが、金属部品との距離を見直したり、高さ方向の配置を調節することで、アンテナ幅を1mm増加。VAIOとしては初めて、WLAN+WWANコンボアンテナを採用しています。
長く快適に使える性能、機能を豊富に搭載
VAIO S13、VAIO Pro PGは、第13世代インテル Coreシリーズのチップセットを搭載。執筆時点での最新チップとなっており、ハイパフォーマンスなのはもちろん、長期間使用するPCとしてもポイントです。
耐久性においても、VAIOハイエンドモデルと同等の耐久テストが実施されており、圧迫や落下による故障の心配は少なくなっています。キートップは耐指紋、防汚処理が施されているため、摩耗や皮脂油によるテカリなども抑えられています。
オンライン会議の普及により、重要度を増しているWebカメラには、「TNR」という、前後のフレームをチェックしてノイズを除去する機能が導入されており、解像度の高い映像が映せるように進化。「美肌効果」というモードも搭載されており、ナチュラルに顔を映すことができます。Webカメラには物理的なシャッターも搭載されているので、プライバシー面でも安心して使えるでしょう。
そのほか、バッテリー駆動時間は約21.5時間(JEITA測定法 2.0の場合)と長く、パフォーマンスに制限はかかるものの、長時間駆動が可能となる「バッテリー節約設定」も利用できます。生体認証は電源ボタンと一体型の指紋認証と、顔認証の両方に対応しました。
ビジネスユースに特化したVAIO最新ノートPCは価格次第で有力な選択肢になるかも?
冒頭でも触れた通り、VAIO S13、VAIO Pro PGはハイエンドとミドルレンジの中間に位置する、ちょうどいいバランスを目指した製品。VAIOのハイエンドモデル「VAIO SX12・SX14」(個人向け)「VAIO Pro PJ・PK」と比較すると、5G通信の有無や本体素材といったポイントに差分が見られるものの、ビジネスユースにおける〝欲しいポイント〟はまんべんなく押さえられている印象です。
執筆時点では販売価格が公表されていないものの、ハイエンドモデルよりは安価になると考えれば、手を出しやすいという人も多いはず。ビジネス用のノートPCとして、多くの人に試してほしい1台です。
取材・文/佐藤文彦