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ソフトバンクとEnpower Japanが全固体電池を高エネルギー密度化する技術の開発に成功

2023.08.30

リチウム金属負極を用いた全固体電池セルで300Wh/kgの重量エネルギー密度を達成

ソフトバンクと米国Enpower Greentech Inc.の子会社であるEnpower Japanは、IoT(モノのインターネット)機器や携帯電話基地局などでの活用を想定した、エネルギー密度(Wh/kg)が高く、軽くて容量が大きい次世代電池の研究開発を推進している。

そこで今回、正極‐固体電解質層の界面抵抗の低減や、固体電解質の重量比削減などの高エネルギー密度化技術を開発。リチウム金属負極を用いた全固体電池セルでの重量エネルギー密度300Wh/kg級の実証に成功したと発表した。

重量エネルギー密度300Wh/kgの電池セル

広く普及しているリチウムイオン電池では、イオン伝導体として有機電解液を用いるのに対し、全固体電池は固体電解質を使用する。

このため全固体電池は、これまでリチウムイオン電池で課題となっていた電解液の発火や液漏れなどのリスクが低く、安全性が高いという特徴を持つ。

また、固体電解質は、電解液と比べて物質が安定した状態にあるため、寿命特性や温度特性の向上、作動電圧範囲の拡大などが期待されている。

その一方で全固体電池は、界面形成と重量増加という課題もある。固体電解質の場合、液体とは異なり正極活物質‐電解質の界面の密着性が低いことや、イオン伝導に関わる界面抵抗の増加が原因となり、電池容量の減少、出力特性や寿命特性の低下が起こる傾向があるため、電極材料と固体電解質の間に良好な界面を形成する必要がある。

また、電解液と比較して比重が大きい固体電解質を使った全固体電池では、電池の重量が増加し、重量エネルギー密度(Wh/kg)が現在のリチウムイオン電池より低くなる傾向があった。

これらの課題解決のために、ソフトバンクとEnpower Japanは今回、正極‐固体電解質層の界面抵抗の低減や、正極合材中の固体電解質の重量比削減、固体電解質層の薄膜化などの技術開発に成功。

リチウム金属を用いて全固体電池セルを作製し、重量エネルギー密度を300Wh/kgまで向上させた。この数値は、従来のリチウムイオン電池セルの最高値と同等となる。

今回の発表に際してソフトバンクでは、「ソフトバンクとEnpower Japanは、テクノロジーを生かした事業活動による社会課題の解決を目指し、今後も次世代電池の高容量化に向けてさまざまな研究開発を続けていきます」とコメントしている。

【参考】全固体電池とは

イオン伝導体に固体電解質を用い、電池の内部が全て固体で構成されている電池。液体成分が数パーセントでも含まれているものは全固体電池とは呼ばず、固体電池や疑似固体電池、半固体電池などと称される。全固体電池は固体電池などと比較して、作動温度範囲や作動電圧範囲の拡大、寿命特性や出力特性などの向上が期待されている。

関連情報
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2023/20230824_01/

構成/清水眞希

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