来年4月からトラックドライバーの時間外労働規制が強化されることで、輸送能力の不足が懸念される物流の「2024年問題」。タイムリミットまで1年を切った今、各社でトラックドライバーの採用熱が高まっているという。
そんな小売・流通業界における最新の転職市場動向を探る、パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」によるレポートが、このほど公開された。本レポートは、2023年4-6月期の小売・流通業界の転職求人倍率や転職市場動向をまとめたものだ。
小売・流通業界の求人数、転職希望者数は調査開始以来、過去最多
2023年4-6月期の小売・流通業界の転職求人倍率は、0.49倍だった(表①)。業界全体で人手不足感が強まっており、求人数は前期比104.1%、前年同期比146.4%と増加。2期連続で、2019年の調査開始以来、過去最多を更新した(図①)。
転職希望者数は、夏季賞与後に転職を検討し始める人が多い傾向にあるため、前期比104.5%と伸長し、前年同期比では109.8%だった。今期は、求人数と転職希望者の増加率がほぼ同じだったため、結果的に転職求人倍率は横ばいとなった。ただし、小売・流通業界では柔軟なはたらき方を求めて、他業種への転職を視野に入れ活動する人も多いことから、数字以上に企業の採用難易度は高い状態が続くだろう。
例年、7-9月期は、4-6月期と比べると転職活動が落ち着く傾向にある。そのため、2023年7-9月期は転職希望者が減少すると予想する。一方で、急な人流回帰やインバウンド消費の影響を受けている小売・流通業界では、人手不足がますます深刻化しており、求人数は今後さらに伸びると予想する。