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オーナー子息の誕生石アメシストからインスパイア!ロールス・ロイスがコーチビルドの傑作「アメシスト・ドロップテイル」を公開

2023.08.31

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、依頼主の子息の誕生石にインスパイアされた特別なコーチビルド・プロジェクトで完成した「ロールス・ロイス・アメシスト・ドロップテイル(Rolls-Royce Amethyst Droptail)」を初披露した。

このロールス・ロイス・ドロップテイルの4つの個性的な表現の1つであるアメシスト・ドロップテイルは、進化したアプライド・アート(応用芸術)の作品だといえる。

オーダーされたのは、家業が宝石ブティックから多角的な事業を展開する多国籍企業へと成長されたオーナー。旅行好きで、国際的な教養と包括的なインスピレーションを持つこのオーナーは、芸術のパトロンとしても名高く、その貴重な宝石、魅力的な自動車、現代美術品のコレクションは、特別に設計されたプライベート・ミュージアムに収蔵されている。

オーナーの子息の誕生石であり、純粋さ、透明感、レジリエンスの永遠のシンボルであるのアメシストからインスピレーションを得て、ドロップテイルのエレガントな表現をコーチビルドのデザイナーに依頼。このテーマは、車両の全域で奥底まで掘り下げて描き出されている。

静粛な芸術性とさりげない華やかさを求めるお客様の情熱が、アメシスト・ドロップテイルの特徴として現れ、魅力的なディテールの研究と見識の高さが反映されている。

砂漠に咲く花

ロールス・ロイス・アメシスト・ドロップテイルの依頼主と共同製作者は、故郷の文化遺産を称えたいという想いを強く示した。ロールス・ロイスのコーチビルドのデザイナーは、依頼主の自宅近くの砂漠に咲く野草であるグローブ・アマランサスをイメージしたエクステリア仕上げを思いつき、これをドロップテイルに施すことでその願いを叶えた。

デュオ・トーンのエクステリア塗装仕上げは、花が咲くときのいくつもの段階を表現。メインのボディーカラーは、繊細なシルバーを基調とした柔らかなパープルで、この花に敬意を表して「グローブ・アマランサス」と名付けている。

光を反射するアルミニウム粉末の薄片によって一層際立ち、魅惑的な玉虫色の仕上げとなった。車両上部のコーチワークに使われ、コントラストを生む深いパープルのアメシスト・ペイントには、レッド、ブルー、バイオレットのマイカ・フレークをブレンドし、繊細なメタリックの光沢を放つ独特なモーヴカラーを作り出している。

太陽光の下では、22インチ・ホイールの内側にモーヴカラーのペイントがかすかに現れ、鏡面仕上げのアルミニウムのサーフェスと繊細で上品な対比を成している。これは、依頼主がお気に入りのピスポークのジャケットの色鮮やかな裏地のタッチを参考にした。

エクステリアは、車体下部を構成するカーボンファイバーに、繊細で非常に複雑な処理を施した仕上げになっている。2年にわたる開発の結果、職人たちは2つの軸に沿って左右対称となるシェブロン・パターンを生み出し、ロールス・ロイス・アメシスト・ドロップテイルのテクニカルなエクステリア・サーフェスに幾何学的な装飾を加えた。

カーボンファイバー自体は、アメシスト顔料で着色されたラッカーの細かい層で仕上げられ、ほとんどの光の下でボディーカラーのように見える。この複雑で技術的に難しいディテールは、自動車を注意深く見るまで隠されており、繊細さと自制心を尊重する依頼主の気持ちが表れている。

ディテールの奥行き

ロールス・ロイスの職人に対する依頼主の信頼の高さは、最難関といえるパンテオン・グリルの装飾の処理方法にみることができる。

エクステリアのグリル・サラウンドとねじれたベーン・ピースには、手作業で部分的にブラッシュとポリッシュ加工を施し、正確なラインで各仕上げを区別している。

これほどの規模でサーフェスの処理を試みたことは、これまでなかった。このコンセプトは、高級時計のコレクターである依頼主の子息から提案された。彼のアーカイブにあった、歴史的に重要な作品のブラッシュ仕上げの時計の針からインスピレーションを得ている。

50時間以上の共同作業の結果、完璧に均一な仕上げ、および異なる仕上げ処理を相互にはっきり対比させることが可能になった。

この現代的なクラフツマンシップの驚くべき表現の下には、複雑な仕組みのローワー・フロント・エア・インテークが配置される。非常に細かいパーツは、デジタルで設計した後に軽量複合材を使って「プリント」し、手作業による研磨とグローブ・アマランサスの色彩で慎重にハンドペイントを施した202個のステンレス製インゴットを組み込んでいる。

フロントエンドを引き締めるのは、アメシストのカボションに囲まれたスピリット・オブ・エクスタシーのフィギュア。目立つ輝きを抑えるために、依頼主はカボションカットをリクエスト。

これは、宝石をファセットカットではなく、丸みを帯びたフォルムに成形し磨き上げる手法となる。このさりげないディテールは、依頼主の宝石ビジネス創業初期の取り組みを想起させる。

素材の特性を生かす

ロールス・ロイス・アメシスト・ドロップテイルには、依頼主とその家族が自ら厳選した素材と工芸品を称えるものとなっている。

素材を厳選した際、最初に検討したのはカラマンダー・ライトのオープンポア材だった。複雑な質感と長い色の帯を持つこの見事な素材のサンプルは、お客様から提供された。

最初に提供された木材サンプルの色彩は、この車両のレザー加工のインスピレーションとなった。サンド・デューン(砂丘)という名にふさわしい穏やかなコントラストのレザーは、カラマンダー・ライトのオープンポア材のキャラメル色のストランドと完璧に調和させるために開発された。

その後、木材のスペシャリストらは、レザーとまったく同じ色のバンドを持つ素材の調達に挑んだ。この作業は解決までに6ヶ月以上を要し、完璧なピースが見つかるまで100本以上の原木を検討する必要があった。

アメシストと名付けられたメイン・レザーの色調は、エクステリアの表面を引き立て、この製品の名の由来となった貴重な宝石の輝きを連想させる、ほのかに真珠光沢のあるラッカーで仕上げられている。

アメシスト・ドロップテイルのために、ロールス・ロイスは史上最大のウッド・サーフェス・エリアを製作。この素材は、フェイシアやドアから、ショール・パネル、片持ち式の「台座」センター・アームレスト、そして後部デッキにまで及んでいる。

空力的に機能する後部デッキに木材を使用する際、ブランドのエアロダイナミクスと木材のそれぞれのスペシャリストが緊密に連携し、パネルの形状のみならず、さまざまな木目の質感や単板そのものの正確な配置角度について実験を重ねた。

その結果、非常に芸術的な作品の完成と同時に、新型の走行用自動車にダウンフォースをもたらす、世界で唯一の「原木」サーフェスが誕生した。

原木の質感を露出させるために、それぞれの単板シートを上下逆さまに配置するという、まったく新しい化粧張り工程がアメシスト・ドロップテイル向けに特別開発された。

互いを映し出すように木板を55度の角度で配置する「ブックマッチング」と、木板を順番に並べて木目模様の繰り返す「スリップマッチング」という2つの技法を組み合わせることにより、木目模様が繰り返され、一枚板のように見える、より有機的で自然な効果が得られる。

アメシスト・ドロップテイルは、オーナーが世界中のさまざまな気候環境で運転できるように、インテリアの木製部分もエクステリアのパーツと同じ厳しい耐久基準を満たすようにテストされている。最終的な完成までには、150以上のサンプルを使って、8,000時間を超える実験をした。

これには、完全に日光にさらされた状態のシミュレーション、雨天に対する耐久評価、+80℃から-30℃までの温度下での耐久性テストが含まれる。このアメシスト・ドロップテイルのために特別開発されたデッキのプロテクション・コーティングは、独自の特許を取得している。

インテリアの処理の完成に向け、依頼主は希少なアメシストの宝石で回転ダイヤルを飾るという、上質な要素の追加を希望した。スピリット・オブ・エクスタシーの台座に配された宝石と同様に、これらもファセットではなく、凸型のカボションで形作られている。

それぞれのストーンの美しい深みと透明度は、通常ファインジュエリーにのみ用いられる水準となっている。宝石はそれぞれ、依頼主の組織内の専門家によって検査された後、個別に承認された。インテリア・スイートはレザーで編まれたフロアマットで仕上げられ、依頼主の故郷のスークで何世紀にもわたって使用されてきた伝統的な織物工芸へのさりげないオマージュとなる。

ビスポークをさらなる高みへ

取り外し可能なハードトップは、ロールス・ロイス・ドロップテイルに2つの異なる個性を与えるためにデザインされた。ルーフを開けたドロップテイルは、しなやかなオープントップのロードスター。ルーフを取り付けると、圧倒的でドラマチックなクーペに変身する。

ルーフにはエレクトロクロミック・ガラスが組み込まれ、瞬時に表面の色や透明度を変化させることが可能。アメシスト・ドロップテイルの色調に合わせるために、依頼主は色相が変化するガラスの開発をコーチビルドのデザイナーにオーダーした。

これを受けて、ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブは、エレクトロクロミック・ガラス向けに独自のカメレオン・エフェクトを開発。

作動していないときには、ほのかに淡いパープルがかかった完全な不透明ガラスになり、車両エクステリアのアメシスト・フィニッシュを映し出す。

ボタンを押して作動させるとガラスは半透明になり、インテリア・スイートに使われたサンド・デューンのレザーのカラーに調和する色合いになる。この類まれな華やかさを実現するために、スペシャリストは完璧にマッチするガラスを見つけるまで、60回ものガラス着色を繰り返した。

唯一無二のタイムピース

ロールス・ロイス・アメシスト・ドロップテイルのフェイシアには、スイスの有名な高級時計メゾン、ヴァシュロン・コンスタンタンにオーダーした唯一無二のタイムピースが飾られている。

ジュネーブでハンドメイドされ、「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン(Les Cabinotiers Armillary Tourbillon)」と名付けられたこのタイムピースには、複雑な手巻きムーブメントが搭載され、特別にデザインされたホルダーにしっかりと収められている。

そして必要に応じて、車から取り外し、保管が可能となっている。この時計は、時分針が瞬時に戻るバイ・レトログラード表示およびバイ・アクシアル・トゥールビヨンを備えている。

ヴァシュロン・コンスタンタンとロールス・ロイス・モーター・カーズは、このタイムピースのフォルム、素材、カラーを車両に完璧に調和させるため、密接に連携した。

インストゥルメント・ダイヤルは 、アメシスト・カラーのインサートと、部分的にブラッシュとポリッシュの仕上げが施された時計針を兼ね備えている。このタイムピースは、ホワイトゴールドのベースプレートに手作業によるサンバースト・ギヨシェが施されている。

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/

構成/土屋嘉久

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