推し活商戦が引き続き加熱中だ。近年は公式アイテムではない “概念” としての推しグッズをプッシュするショップも増え、「概念ドリンク」や「オリジナルネームタグ」などがトレンド化している。
そこで今回は、日常に溶け込むネオ推し活グッズや、ブームになっている100円ショップの「硬質ケースデコ」の作り方を紹介していく。
推し活商戦のトレンドは “概念” と “カスタム” ?
筆者には堂々と「推し活」と呼べるまでの経験はない。そんな人間でも昨年あたりからよく耳にするようになった用語が、「概念グッズ」だ。
■概念=おおまかな意味内容。性質。コンセプト。
あるものごとに対して抱く、抽象的かつ普遍的な共通認識のことを “概念” という。そこから転じて、「推しが持ってそう」「推しのイメージに合う」など、なんとなくだが推しを連想させるアイテムや行動のことを「概念推し」と呼ぶ。
概念推しの例として、「推しの目と同じ色の宝石が使われたジュエリーを身に着ける」「推しが着ていそうなブランドの服をコーディネートして部屋に飾る」などが挙げられる。公言されている撮影地などを除き、推しや推しが出演する作品にまつわる(と思われる)場所を巡る「聖地巡礼」も、ある意味概念推しといえるだろう。
要は推しを連想させるグッズや行為を自己供給することなので、公式グッズや公式情報が絡むものは基本的には概念推しに含まれない。
■カスタム=必要に応じて製品やサービスに手を加えること。特注。オーダーメイド。
手を加えて使いやすく調整したり、嗜好や必要性に応じてパーソナライズすることを “カスタム” という。
推し活においてのカスタムといえば、自分なりの推しグッズを生み出すことだ。公式グッズに手を加えてオリジナル化することもあるが、ベースになるものはもともと推しとは無関係な場合も多い。例えば、「カフェラテアートに推しの台詞を描いてもらう」「推しの名前が刻印されたネームキーホルダーを作る」などが挙げられる。
こちらも公式商品以外は自己供給になるので、概念の派生版といえなくもない。というよりも、肌感的にはネームキーホルダーのカスタムなどが前身で、カラーやイメージだけを反映した概念グッズの方が後から広まったように思う。
サンリオピューロランドの「おなまえホルダー」や東京ディズニーリゾートの「名入れアトマイザー」などは、この2つのトレンドを兼ね備えていることからSNSなどで注目を集め、一早くブームになった。
そこに推し活推奨の意図があるかどうかはショップによって違うが、近頃は概念やカスタムが叶う「推し活応援」ともいえる商品が続々と登場している。
概念グッズ、カスタムグッズの例
■推し活専門店オシアド
<原宿店(東京都渋谷区)、金沢店(石川県白山市)>
カラーと香りをオーダーし、「概念ドリンク」こと推しイメージのハーブティーソーダやカクテルがオーダーできる。
■ハラジュク201cafe
<原宿店(東京都渋谷区)>
推しカラーのソーダが入ったボトルに名前や誕生日が刻印されたラベルを貼って、世界に1つのカスタマイズドリンクが作れる。
■TAG COFFEE STAN(D)
<109シネマズ二子玉川店(東京都世田谷区)、109シネマズ川崎店(神奈川県川崎市)など>
ラベルのデザインとバナー(文字)、中身のドリンクを選び、セミオーダーのカスタマイズコーヒーボトルが作れる。
■Scently
<オンラインショップ>
ウェブサイト上で記入したオーダーシートをもとに調香師が香水を作成、できあがった推しイメージの香水と「解釈レター(香りの解説シート)」が届くという推し香水専門店。