ユニバーサルミュージックグループとMusic AI インキュベーターを発足
YouTubeは史上初となるAIを音楽に活用するための基本的な考え方、AI Music Principles(以下、音楽AI の基本的な考え方)の制定と、ユニバーサルミュージックグループのアーティスト、作詞・作曲家、プロデューサーが参加するYouTube Music AIインキュベーターの発足につい
て発表した。
YouTubeの音楽AI の基本的な考え方は、大胆かつ責任ある改革に取り組みながら、音楽業界との協働関係を築いていくというYouTube のコミットメントに根ざしている。
本稿では、米国本社より発表された本件プレスリリースの概要をお伝えしていく。
YouTube CEO のニールモーハン氏は、今回制定された音楽AI の基本的な考え方を発表するとともに、このフレームワークがどのようにクリエイティブな表現を強化し、一方でYouTubeでの芸術性を保護するかについてのビジョンを紹介している。
音楽業界と連携して、責任ある改革の追求と、クリエイティビティの強化を目指す
音楽AI の基本的な考え方は以下のとおり。
1)AI の存在を無視することはできない。YouTube は音楽業界と協働し、AI を責任を持って活用していく。生成AI が、クリエイティビティの新しい扉を開く中、この急速に進歩する分野において、YouTube と音楽業界は、これまでの長期的な協働関係を継続し、責任を持ってAI を活用していく。音楽業界と連携して、責任ある改革の追求と、クリエイティビティの強化を目指す。
2)AI がクリエイティビティの新時代への扉を開く一方で、適切な権利保護と、音楽業界への機会提供がなければならない。YouTube はYouTube 上のクリエイティブコンテンツを保護する強固な実績を継続させていく。著作権者の利益とYouTube のクリエイターコミュニティの利益とのバランスをとるために、長年にわたって非常に多くの投資を行っている。
3)YouTube は、業界をリードする信頼性と安全性に取り組む組織とコンテンツポリシーを構築してきたが、AI の課題に対応するため、さらにそれらを拡張していく。
YouTube は、YouTube コミュニティを保護するためのポリシーや、Trust & Safety チームに長年投資してたが、これらはAI で生成されたコンテンツにも適用されている。
生成AI には、商標や著作権の悪用、誤情報やスパムといった現在既に存在している課題をさらに増やす可能性がある。しかし一方で、AI はそういった問題のあるコンテンツの識別に利用するともできる。
YouTube は視聴者、クリエイター、アーティスト、作詞・作曲家のコミュニティを安全に保護するためのAI を活用した技術、すなわち、Content ID、違反コンテンツを検知してポリシーを適用するシステムに引き続き投資し、今後この取り組みをさらに拡大していく。