日本から2時間ほどで気軽に行ける旅行先として人気の韓国。
エイチ・アイ・エスでは今年、ソウル、プサンといった韓国の都市への予約が多く、6月出発以降、韓国全体の売上高はコロナ禍前の2019年水準となるなど、日本からの渡航者が多い人気観光地の中で比較しても、早期の回復をみせているという。
背景には、近年におけるK-POPや美容、ドラマ・映画など、日本だけでなく世界でも人気が高まっていることで、「韓流」「Korean Wave」と呼ばれるトレンドが起きていることや、短期間で渡航ができることにより、週末を絡めた旅行を検討しやすい日程の兼ね合いや、韓国からの訪日観光客も増加していることによる地方都市空港を含めた就航便の増加による行きやすさなどが考えられる。
このトレンドを受けてHISはこのほど、韓国旅行の予約動向について、国際線が就航している主要都市「ソウル」「プサン」「チェジュ」を対象に調査を実施し、その結果を発表した。
ソウルは女性からの予約が約8割と群を抜く。ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持
<旅行者の属性>
目的地ごとに属性は大きく異なり、ソウルは半数(50.1%)が女性同士の旅行となっている。友人同士など年齢の近い形態だけでなく、母娘の形態も多く、背景には近年の親子の距離感が近くなっていること、特に母娘においては共通の趣味や一緒に推し活を楽しまれていることが推察される。
チェジュはエメラルドグリーンのビーチが広がる韓国屈指の南の島であり、リゾート地として子ども連れの家族でゆったり楽しむ人が多くなっている。また、プサン、チェジュは共にクルーズ船の寄港地でもあるため、カップル・夫婦も多くいる結果となった。男女比でみれば、女性が約8割(79.4%)を占めるソウルに対して、プサンは約7割(66.0%)、チェジュは約6割(57.4%)となっている。
<旅行者の年齢分布>
ソウルは20代が36.5%と圧倒的で、20代以下でみれば約半数(48.3%)を占めている。ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持を得ていることがわかる。就航便数が多いこともあり予算に合わせた旅行の組み立てのし易さなど、学生旅行としても検討しやすい目的地だ。
プサンは昨年、韓国の有名アーティストによる大型コンサートが開催され注目された。以降、関連するスポットを巡る旅、いわゆる「聖地巡礼ツアー」をされる方が一時多くみられた。港があることから、福岡から高速船で気軽に行くことができることもあり、九州地方の人には身近な旅先の一つとなっている。チェジュは60代以上が34.9%と高いシェアが見られた。
コロナ禍前の2019年と比較すると、チェジュに関しては20代の割合が大きく変化していることがわかる。今年に関して言えば20代の人はソウル、プサンを選ばれる傾向が高く見られる。
<商品分類>
申し込まれている商品の分類としては、ソウル、プサンは航空券(手配旅行)とパッケージツアー(企画旅行)が約半数ずつとなっており、時間や日程などが自由に設定できる手配旅行の需要が高くなっている。リピーターも多く旅慣れた人が多いことも理由とみられる。対してチェジュは圧倒的に企画旅行での需要が高くなっており、同じ韓国ではあるものの、方面により使い分けがされていることがわかった。
<調査概要>
調査対象:HISにて2023年1月~12月に出発するソウル、プサン、チェジュを目的地とした旅行をご予約の方
調査日:2023年8月8日
出典元:株式会社エイチ・アイ・エス
構成/こじへい