スマートフォンからエアコンや浴室のお湯はりを操作したり、テレビや照明を音声でオンオフしたりできるスマートホームが当たり前になる未来が近付いてきた。次世代の家電や設備がインターネットにつながる「IoT住宅」が進化を続けている。
IoTとは何か、またIoT住宅でできることや最新商品を紹介する。
IoT住宅とは?
IoT住宅とは、IoT技術やIoT機器を取り入れた住宅のこと。IoTは「Internet of Things」の頭文字をとった言葉で、直訳すると「モノのインターネット」。さまざまなモノがインターネットでつながった状態を指す。
例えばパナソニック ホームズの注文住宅ではIoT住宅が建てられる。
「家事楽、くらし便利、防犯安心、防災安心」という4つの視点で機能を暮らしに置き換えて紹介している。
「家事楽」ではゴミの日や洗濯の終了をスマホに知らせてくれる機能や、スマートスピーカーに話しかけることでエアコンや照明の操作ができる機能、「くらし便利」では外出先から浴室のお湯はりができる機能、「防犯安心」ではスマホから鍵の施錠ができる機能、「防災安心」では気象警報と連動し、万が一に備えたお湯貯めや蓄電池の備えなどの機能が備わる。
さらにパナソニックグループ各社と連携し、新しい機能を順次、取り入れている。直近では、カーテン・屋内ブラインドを遠隔操作したり、タイマー自動制御したりする機能を連携させた。
「IoT住宅の各機能が、お客様の暮らしにおいて、どのようにお役立ちできるかを大切に考えて開発を進めています。お客様の生活スタイルや、重要視されていることはさまざまで、機能も多種多様です。個別にお客様の関心事をお伺いしながら、お客様ごとのIoT住宅を提案しています」(パナソニック ホームズ担当者)
また同社のIoT住宅にも備わる「HEMS機能」は、これからのIoT住宅に欠かせない機能となりそうだ。HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略で、家庭内で消費するエネルギーや、太陽光による発電量を「見える化」し、一元管理できるシステムのこと。温室効果ガス排出量削減のために政府が推し進めており、家庭内のエネルギー消費を可視化しつつ積極的に制御する仕組みにより、消費者自らのエネルギーマネジメントを促すことで省エネを目指す。さらに、太陽光に蓄電池も加えた場合は、蓄電時の充放電を自動でコントロールして、太陽光で作った電気をより効率よく活用できる。
入居後すぐにネットがつながるIoT機器標準装備の新築住宅が誕生
2023年6月、アエラホームがソニーネットワークコミュニケーションズと連携し、創業60周年を記念の住宅「S-STYLE」を発売した。
セキュリティーや家事楽をテーマとし、ソニーやLIXIL製のIoT機器が標準搭載。「セキュリティーIoT」ではネット回線を利用して外出先からスマホで確認・操作ができる玄関ドアの自動解施錠機能、窓の開閉センサー機能など、「家事楽・快適IoT」では浴室のお湯はり機能や照明・エアコン・家電操作を音声やスマホで操作できる機能が備わる。
「S-STYLE」イメージ
出典:アエラホーム「S-STYLE」
同住宅が新しいのは、提供されるネット環境にあるという。同社のCSR部部長 大森幹郎氏は次のようにコメントする。
「本商品の特徴は、インターネット回線が住み始めてすぐに使える状況になる点です。通常、新築の場合、インターネット環境がつながるのに入居後2か月程度は時間を要します。『S-STYLE』ではソニーネットワークコミュニケーションズが提供する高速インターネット回線『NURO光』が入居と同時につながります。昨今のインターネットの利用やテレワークなどのライフスタイルを考えると大きな利点であると考えています。またIoT機器、内装やキッチンなど6つのアイテムが60周年記念特別仕様となっており、高性能住宅の快適性と高速ネット回線とIoT機器の利便性が、お客様の暮らしをさらに快適なものにします」
高速インターネット回線「NURO 光」は、入居から5年間は月額基本料金が発生しない。ソニー製メッシュWi-Fiを標準装備することにより、家中どこでも快適に通信できる。