車やバイクの装備のうち、非常時や特定の状況下でのみ使用するものは、使い方やいつ使うかのタイミングが見極めづらい。「フォグランプ」もそんな装備の一つだ。街乗り中心のドライバーの中には、使ったことがない人、自分の車にフォグランプが付いているかがわからない、という人も少なくないはず。
そこで本記事では「フォグランプ」の必要性や使い方、点灯方法、注意点について解説する。
車のフォグランプの意味と使い方
フォグランプ(fog lamp)は、名前の通り、霧(fog)などで視界が悪い時に利用するライトのこと。日本語での正式名称は「霧灯(むとう)」というが、英語の「フォグランプ」の呼称を使う方が一般的だ。
フォグランプはどこに付いている?
フォグランプは、ヘッドライトの下部に取り付けられている。点灯すると、足元(路面部分)を照らして視界を確保できるようになり、歩行者や他の車に自分の存在を知らせることも可能だ。ただし、車種やグレードによってはフォグランプのない車もある。
フォグランプの点灯スイッチは、車のフロントパネルにある場合と、ウィンカーレバー(ディマースイッチ)に付いている場合がある。車種によっては、「フロントフォグランプ」と「リアフォグランプ」の2種類があり、フロントフォグランプは前方の歩行者や車に、リアフォグランプは後方の車に自分の存在を知らせるのに役立つ。
フォグランプの使い方
フォグランプは、濃霧などの視界が聞きにくい天候下で運転する場合に点灯する。
霧に遭遇したら後続車に配慮しながらゆっくり減速し、下向きのヘッドライトと一緒にフォグランプを点灯(フォグランプのない車はヘッドライトを下向きにして点灯)しよう。点灯後は道路の白線などを頼りに車線を外れないよう走行する。また、フォグランプを使用しても視界が著しく悪い場合は、霧が晴れるまで路肩に停車する方法もある。
フォグランプを使用する時の注意点
ヘッドライトの代わりにフォグランプのみを点灯して走行するのは道路交通法違反となるため特に注意したい。
また、悪天候以外のときにフォグランプを点けたまま走行すると非常に眩しく、対向車や周囲の車の視界を妨げるため、不必要にフォグランプを点灯することもマナー違反と知っておこう。
バイクにもフォグランプはある?
バイクの場合、フォグランプの装備義務はないため、自動車よりもフォグランプのない車種の割合が高い。オフロード系など排気量の比較的大きいバイクには、あらかじめフォグランプが装備されているケースもあるが、多くの車種にはフォルランプが付いていないと考えておくと良いだろう。
バイクのフォグランプのメリットと使い方
バイクのフォグランプも自動車と同じく悪天候時に使用すると走行中の視界が良くなり、他の自動車からも見つけてもらいやすくなるメリットがある。
また、外部からの被視認性が高まるため、バイクのドレスアップ(目立たせる)目的でフォグランプをつけるライダーも少なくない。
フォグランプの取り付けには保安基準がある
バイクにはフォグランプを取り付ける義務はないが、取り付ける場合は、交通事故防止などの観点から守るべき「保安基準」が設けられている。
バイクのフォグランプは、ライダー自身が後付するケースが多い。保安基準に違反した状態のフォグランプが付いていると車検に通らないため注意しよう。
【バイクのフォグランプ取り付けの保安基準】
・取り付け位置:照明部の上縁の高さが地上から80cm以下、下縁の高さが地上25cm以上であること。
・フォグランプの数:規定はないが、同時に3個以上点灯しないこと。また、左右同数で対称の位置に取り付けること。
・フォグランプの色:白もしくは黄色。左右で同じ色にすること。
・フォグランプの光輪:光輪が上を向いている場合や、フォグランプの光が上方に向いていると、対向車の視界を妨げるとして車検に通らない。
・フォグランプの明るさ:他の交通を妨げないものであること。光量の明るすぎるものは避ける。
フォグランプの取り付け方
バイクのフォグランプを後付する場合は、自分の車種に合ったフォグランプを購入し商品の説明書に沿って取り付けるか、バイクショップに取り付けを依頼しよう。自分で取り付ける場合のおおよその流れは以下の通りだ。
1.フォグランプの取り付け位置を決める:保安基準を満たしているかをチェック。必要に応じて車体の加工が必要な場合もある。
2.フォグランプの電源を確保する:ホーン部分の端子から分岐させて電源を確保するか、ヒューズボックスから直接電源を取る。
3.フォグランプの点灯を確認:スイッチを入れて問題なく点灯するかを確認。
※データは2023年8月下旬時点のもの。
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文/編集部