連載/カーツさとうの酒と肴と男とサウナ
まだある程度の警戒はした方がいいとは思いますが、やっとコロナが『コロナ禍』っていう沈痛なムードから脱却してまいりましたね。
思い返せば3年位前なんて『外出自粛』とかやってたんですよ、この日本。
「不要不急の外出は控えてください」
とかね。いや~、あの時代と比べると、本当に復活しましたよ。
で、コロナが消えれば消えるほど、サウナ関連でひとつ考えねばならないことがある。
それが『黙浴』である。
『DIME』編集部イチのサウナ好きの石崎さんとも、
「これから『黙浴』ってど~なるのかね~」
って話をこの前したんだけど、『黙浴』って言葉も行為も、コロナ以降に生まれたんですよね。
それまでは、あくまでも施設によってだけど、サウナ室がオヤジの社交場みたいな所もなかにはあったワケ。地元の方が集まるタイプの銭湯のサウナ室に多いんだけど、サウナ室で知り合いと会うと、
「よっ元気!」
みたいに世間話をはじめる人って当然いたワケよ。地元の常連さんの中にはそれが楽しみで銭湯のサウナに通ってるなんて人もいたワケ。
そういう施設では、当然の話として、そんな会話がそろそろ復活してまいりますよ。
当然施設側の判断で「黙浴はずっと続けます」ってところもあるだろうけど、「会話を解禁」する施設も少しずつ出てきてるワケですよ。もちろん大声でギャーギャー話すのは御法度ですけど、会話もその施設にとっても、その地域にとってもひとつのサウナ文化なんだから、復活するのも当然ですよ。
ただ、最近サウナにハマりだした、コロナ以降にサウナ好きになったっていう人の中には『黙浴』がサウナの元々のデフォルトだと信じてる人もいるんですよね。
で、そういう人って、サウナでの会話を『サウナ会話警察』みたいに忌み嫌うでしょ。でも、もともとは会話を楽しむサウナってのもあったんですよ、とまずは知っていただきたい。
サウナって大人の趣味だからさ。大人として、その施設がもともとどんなノリのサウナなのか、ちゃんと見極めて、会話が文化として息づいているサウナだとわかったならば、たとえ個人的にサウナで会話されるのが嫌いでも、
「あ~ここはそういうトコロなのね」
と、と大きな心で対処していただだきたい。ピリピリ怒ったりしないでいただきたい。