車検ステッカー(検査標章)は、車検に合格した車両を示すもので、車に必ず貼っておかなければいけません。2023年7月から貼り付け位置が変更されたので、正しい位置を知っておきましょう。貼らない場合の罰則や、再発行の方法も解説します。
車検ステッカーを貼る位置
車検ステッカーは、車検に合格した車両に対して発行されるシールで、正式には『検査標章』といいます。道路運送車両法において、車検ステッカーの貼り付けは義務とされており、必ず守らなければいけません。これから車を購入・運転する人は、この機会に車検ステッカーの貼る位置を正しく知っておきましょう。
出典:「検査標章の現状について」|国土交通省 自動車局 整備課
2023年7月に貼り付け位置が変更へ
これまで車検ステッカーは、車両前方から見やすい位置に貼ればよいとされており、ガラスの内側に付けるタイプのシールなので、ルームミラーの上部分やフロントガラスの左上などに貼るドライバーが多くいました。
しかし、2023年7月から貼り付けるべき位置が変更されており、運転者席側の上部で、かつ車両の中心から可能な限り遠い位置となりました。これから車を購入する人はもちろん、車検を受ける人も注意が必要です。
出典:令和5年7月より、車検ステッカーの貼り付け位置が変更となります。|国土交通省 自動車局 整備課
運転手の視野を妨げない場所に貼ってOK
車検ステッカーの貼り付け位置の変更は、無車検運行の防止対策として実施されたものです。前方から確認しやすい位置であるとともに、ドライバーが運転の邪魔にならず、簡単に有効期限をチェックできる場所に貼り付けなければいけません。ですので、運転手席から見てフロントガラスの右上(左ハンドル車は左上)がベストな位置となります。
ただし、この位置でドライバーの視野を妨げてしまう場合は、その限りではありません。視野を妨げない前方かつ、すぐに見られる場所に貼り付ければOKです。フロントガラスの上部が着色されている場合などは、ステッカーの内容が見える位置までずらしてみましょう。
また、すでに車検ステッカーが貼ってある場合は、次回発行されるまで、位置を変える必要はありません。
車内から車検ステッカーを貼り付ける
車検ステッカーは台紙を使用して、有効期限が記載された青シール(あるいは黄シール)と透明シールを貼り合わせて、車内から付ける仕組みです。具体的な貼り方は台紙の裏側に記載されているので、はじめに説明を確認しましょう。
まずは、透明シールの左半分を『ミシンD』の部分まではがし、次に『ミシンC』の部分を折り曲げて、貼り合わせ部分の内側に付けます。続いて、透明シールの右半分をはがし、青シールも右半分を山折りした『ミシンA』のところまではがします。
そこから『ミシンB』を谷折りし、青シールを貼り合わせ部分にあるガイドに従って、貼り付けましょう。後は青シールの左半分をはがして台紙を引っ張り、シールを合体させます。台紙から完全にはがしたら、所定の場所に貼り付ければOKです。
文章による説明だけでは分かりづらい場合は、動画もチェックしてみましょう。以下のページから、貼り方の詳しい手順を確認できます。
車外前方、車内から見たイメージ
車検ステッカーの表面には、自動車検査証の有効期限が満了する年月が記載されており、車両前方から確認できるようになっています。
例えば、左側に大きな数字で『7』と記載されており、右下に小さく『5』と記載されているならば、令和5年の7月が有効期限の満了月です。なお、令和6年になると左下、令和7年になると右上といったように、満了年によって数字の位置が左上→右上→右下→左下の順で変わるようになっています。
また、裏面には『5年7月1日』のように、有効期限が満了する年月日が記載されており、ドライバー側からも常に確認が可能です。
参考:令和5年7月より、車検ステッカーの貼り付け位置が変更となります。|国土交通省 自動車局 整備課
車検ステッカーの気になる疑問
車検ステッカーの取り扱いについて、多くのドライバーが気になる点を解説しておきます。上記のように、車検ステッカーの貼り付けは義務なので、必ず車両に貼っておかなければいけません。
貼っていないとどうなる?
道路運送車両法により、公道を走行する車両は、車検シールの貼り付けが義務となっています。車検シールを貼っていない状態で公道を走行すると、たとえ車検に通っている車両であっても、50万円以下の罰金が科される可能性があるので注意しましょう。
なお、当然ながら車検に通っていない車両で走行してもいけません。車検切れの車両を公道で走らせると、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
参考:道路運送車両法 第六十六条『自動車検査証の備付け等』|e-GOV法令検索
車検ステッカーがはがれたらどうすべき?
車検ステッカーがはがれてしまった場合は、新たな車検ステッカーを取得して貼り付けなければいけません。車検証持参でステッカーの再取得手続きをするとともに、警察署に届け出をして車検が切れていないことを証明する必要があります。
届け出をしない場合、道路交通法違反とみなされ、罰金の対象になる恐れがあるので注意しましょう。ステッカーがはがれたら、すぐに手続きをすることが大事です。
車検ステッカーの再発行方法
車検ステッカーの再発行は、普通自動車ならば最寄りの運輸支局や、自動車検査登録事務所で行います。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会が担います。
手続きには車検証の原本と、申請書・理由書に加えて手数料納付書が必要です。申請書や理由書は手続きをする場所の窓口にありますが、Webサイトからダウンロードすることもできます。手数料納付書は窓口で手数料を支払った際に発行されるので、そのまま担当員の指示に従って手続きを進めれば問題ありません。
ただし、代理人が再発行の手続きをする場合は、委任状が必要なので、事前に準備しておきましょう。
参考:
構成/編集部