車関連の用語は、興味の有無や運転するか否かによって知っている人と知らない人が大きく分かれる。車の種類を表す「クーペ」も、普段車を運転しない場合は意味を想像するのが難しい用語の一つだろう。
そこで本記事ではクーペがどんな形状の車を指すのかをはじめ、クーペの語源、他の車との特徴の違いについても解説する。
クーペとは?車の形や語源をチェック
クーペとは、自動車の車体形状(ボディタイプ)を表す言葉の一つ。座席は原則的に運転席と助手席の1列のみで、ドアも2枚となる。走行時に風の抵抗を受けにくくするため、車高は低く、流線型のスタイリッシュな外見をしている点が特徴だ。
クーペの語源は馬車を表すフランス語「coupé(クペ)」
クーペの語源は、フランス語の「couper(クペ、切る)」の活用形である「coupé(クペ、切られた)」からきている。もとは二人乗りの小型の馬車の形状を表す言葉で、それが車用語として定着した。
なお、コッペパンの「コッペ」も、クーペと同じ「coupé」を語源としている。
走りを重視したスタイリッシュさがクーペの魅力
クーペタイプの車は、走行性を重視しているものが多く、ドライブを楽しみたい人に向く。経済性や実用性が求められるビジネス用途や生活用途の車には向かないものの、クーペならではのスタイリッシュな車体形状を愛好するドライバーも少なくない。
クーペと他のボディタイプとの違い
自動車は乗る人の目的に合わせて非常に多くの車体形状に分かれている。クーペの形について理解できたら、その他のボディタイプとの違いもチェックしてみよう。
クーペとセダンの違いは?
セダンは、クーペと同じく車体形状を表す言葉の一つ。エンジンルームと乗車空間、トランクルームの3つが独立しており、前部と後部合わせて4枚のドアを持つ。クーペと比較すると車高が高く、居住性に配慮されている点が特徴だ。
セダンとクーペは、一般的にはドアの枚数で見分けられるが、クーペを2列シートにして居住性を高めた「4ドアクーペ」も発売されている。セダンと比較すると上半身のデザインがスポーティ。クーペデザインが好きだが、ファミリー利用でリヤドア(後方の左右ドア)がほしい場合などに向いている。
クーペとSUVの違いは?
SUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ・ユーティリティ・ビークル)も自動車の車体形状を表す言葉の一つだ。車高が高いため運転時の視界が良好で、雪や雨などの悪天候時も運転しやすい。また、セダンより荷室が広く、買い物や旅行に便利な点から、現在人気のボディタイプとなっている。
一部のSUVは、オフロード走行よりも街乗りをメインとしており、セダンやクーペ等、他のボディタイプのスタイリッシュなデザインを導入している(クロスオーバーSUV)。
クーペとスポーツカーの違いは?
スポーツカーは、スポーツドライビングに特化した車を指す言葉で、自動車のボディタイプを表す用語とは区別される。高速走行を目的としており、高い運転性能を持つ点が特徴だ。ボディタイプによる分類上、スポーツカーの中にクーペに該当するものがある。ただし、すべてのスポーツカーがクーペ(またはすべてのクーペがスポーツカー)ではない点に注意したい。
クーペとハッチバックの違いは?
ハッチバックは、乗車空間とトランクルームが繋がっており、後部のハッチドアを跳ね上げて開閉するタイプの車のこと。車内空間を節約できることから、ボディサイズを小さくしたいコンパクトカーに採用されることが多い。
1~2人乗りの2ドア車の場合、クーペデザインで後部にハッチバックを採用した車を「ハッチバッククーペ」と呼ぶ場合もある。
クーペとハードトップの違いは?
ハードトップは、別名を「サッシュレス」とも言い、「Bピラー」と呼ばれる運転席後部の窓枠(サッシュ)がない自動車を指す。窓枠がないため左右の視界が良好で、解放感があることから90年代に流行したが、車の堅牢性が下がる等の理由により、現在はほぼ生産されていない。
ハードトップは、2ドアの車で採用されるケースが多かったため、流行期はクーペと同一視されたこともあるが、あくまでサッシュレスドアの車の総称であり、ボディタイプを表すクーペとは区別される。
※データは2023年8月中旬時点のもの。
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文/編集部