330円で買えるキャンドゥの簡易接着グルーガンはDIYにどこまで使える？

2023.08.23

ここ数年のハンドメイド（手芸）のブームで、さまざまなDIYグッズが脚光を浴びている。
その１つがグルーガン。「グルー」は糊、「ガン」は銃の意味で、拳銃の形をした接着用具である。

1 ハンドメイドの流行で注目のグルーガン
2 「簡易接着グルーガン」の基本のキ
3 「簡易接着グルーガン」の使い勝手はいかに？

ハンドメイドの流行で注目のグルーガン

仕組みは、樹脂製の棒状のグルースティックを本体に挿しこみ、それを電熱で溶かしてジェル状になったものを接着面に塗布。溶けた樹脂は、冷えると固まって接着性を帯びる性質を利用している。

接着可能なものは、木、紙、布、革、石、ガラス、金属、プラスチックなど幅広い。通常の接着剤と異なるのは、接着面に細かい凹凸のあるもの同士でも接着しやすいことだ。逆に、ざらつきのないもの同士の接着にはあまり向かない。また、壁に接着したフックのような、荷重が常時かかる状態も苦手とされる。基本的には、重くない布や紙に最適なため、ハンドメイド作家の必需品としてもてはやされている。

さて、このグルーガン。安いものでは千円台、ちょっとスペックの高いものだと数千円台が相場。だが、330円という価格破壊級のものがキャンドゥから出て話題を呼んでいる。使い勝手など紹介しよう。

「簡易接着グルーガン」の基本のキ

キャンドゥの「簡易接着グルーガン」は、コンパクトな手のひらサイズ。本体から110cmのケーブルが延びている。ハンドメイド作業は、通常はデスクでするだろうから、近くに電源がない場合、延長コードが必要となる。

本製品には、直径7.2mmの透明なグルースティックが2本ついており、これを本体後部の差し込み口に入れる。そして、トリガーを数回引くと、グルースティックが押し込まれる。

それから電源を入れる。スイッチはなく、プラグをコンセントに差せば自動的に熱を帯び始める。５分ほどで十分な熱をもつので、トリガーを引くと先端から溶けたグルーが出てくる。あとは、接着面に塗布するだけ。

１つ注意事項があって、使用時は必ず下向きに。上向きにすると、グルーが逆流して故障・発火のおそれがあると書いてある。

「簡易接着グルーガン」の使い勝手はいかに？

早速使ってみよう。布とプラスチック、皮革とガラス、紙同士など様々な素材を貼り合わせてみた。おおむね接着性は高く、満足できる性能を発揮。ちなみに説明書によれば、木材や紙が、一番接着性が高いという。

ただ、慣れとコツの問題かと思うが、難点と思えるものが若干あった。一つは、使用しない時もグルーが垂れてくるという問題。垂れ出すと、注意書きに反して思わず上向きにしたくなる。おそらく、トリガーの押しすぎが関係しているかもしれないし、小まめに電源をオフにして冷やすのが前提かもしれない。ただ、作業中の頻繁なオン・オフ（プラグ抜き差し）は、意外と面倒。また、せっかちな貼り付けをすると、グルーが「白い糸」を引き、接着面とは関係ない箇所についてしまう（下写真参照）。そうした点を含め、初心者は多少の習熟が要るのだろうと感じた。総合的に見れば、ヘビーユーザー向けではないものの、コスパのよい製品といえる。