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1ドル145円台をつけた円相場、政府・日銀が介入する可能性は?

2023.08.20

8月11日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が、6月30日以来約1カ月半ぶりに一時145円台をつけた。

これを受けて、三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジストの市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「一時145円台を回復したドル円について為替介入の可能性を探る」と題したマーケットレポートを発表した。レポートの詳細は以下の通り。

先週は予想比強めの7月米PPIなどを受けて米長期金利が上昇、ドル円は一時145円台を回復

米国で8月10日に発表された7月消費者物価指数(CPI)は、おおむね市場予想通りの結果となり、インフレ再加速への懸念が強まることはなかった。ただ、同日の米30年国債の入札が低調だったことから、米長期金利は上昇、米ドルも対主要通貨で上昇する展開となった。また、翌11日に発表された7月生産者物価指数(PPI)では、主要項目が市場予想を上回り、米長期金利上昇、米ドル高の動きが一段と強まった。

8月9日のニューヨーク市場取引終了時点において、米10年国債利回りは4.0%水準、ドル円は1ドル=143円72銭水準に位置していた。その後、前述の米30年国債入札や7月米PPIの結果を受け、8月11日の取引時間中に、それぞれ一時4.17%水準、145円03銭水準まで上昇した。ドル円が145円台を回復したのは、6月30日以来、約1カ月半ぶりのことになった。

145円台は政府・日銀が昨年9月に為替介入に踏み切った水準で市場の警戒感は強まりやすい

ドル円がこの先、145円台をしっかり回復し、さらにドル高・円安が進んだ場合、市場では為替介入に対する警戒感が強まることが予想される。政府・日銀は2022年9月22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなるドル売り・円買いの為替介入に踏み切ったが、この時ドル円は145円90銭水準に達していた。その後ドル円は、同日の海外市場で140円台前半までドル安・円高が進み、市場はこれを鮮明に記憶していると思われる。

なお、財務省、金融庁、日銀は、2022年9月22日の介入実施前、9月8日に国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開催した。また、9月14日には、日銀が為替介入の準備のために市場参加者に相場水準を照会する「レートチェック」を実施している(図表1)。そして、この3者会合とレートチェックが行われた時のドル円の水準は、いずれも144円台だった。

ただマクロ環境の変化で円安への懸念が和らぎ、当局が為替介入を急ぐ公算は小さいと思われる

以上を踏まえると、144円台と145円台は、市場で為替介入が意識されやすい水準と思われ、ここからのドル高・円安の進行速度は、幾分緩やかなものになることも想定される。また、為替介入の前には、改めて3者会合とレートチェックが行われる可能性が高く、これらの動きにも注意が必要だ。ただ、為替介入が実施された2022年9月当時と現在とでは、マクロ環境などが変化してきており、この点も考慮すべきであると考える。

例えば、現時点では、国内の株高基調、インバウンド(訪日外国人)需要の回復、貿易赤字の縮小、輸入物価の落ち着きが確認されており(図表2)、円安に対する当局の懸念は、2022年9月当時と比べ、いくらか和らいでいると思われる。

そのため、ドル円の「水準」が144円台や145円台であっても、ドル高・円安の進行「ペース」が、行き過ぎと判断されない限り、当局が為替介入を急ぐ公算は小さいとみている。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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