『動物愛護週間』という名前を聞いたことがあっても、どのようなものなのか詳しく知らない人もいるのではないでしょうか?動物愛護週間の歴史や目的、行事などについて紹介します。おすすめの過ごし方にも触れるので、実際に取り入れてみるといいでしょう。
動物愛護週間とは
動物愛護週間の期間や、具体的にどのような目的を持つものなのか紹介します。いつどのように制定されたのか、歴史についても理解を深めましょう。
動物への理解、関心を深める週間
動物愛護週間は『動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)』で定められており、動物の愛護や適正な飼養への理解・関心を深めることを目的としています。期間は毎年9月20日〜26日で、国や地方公共団体は、動物愛護週間の目的や趣旨にふさわしい行事を催すように努めなければなりません。
動物愛護週間が設けられた背景として、動物と共生していくために、正しい飼育や理解が必要であるためという点が挙げられます。責任を持ってペットを飼う人たちも多い一方で、無責任な扱いにより保健所に引き取られる不幸な動物も少なくありません。
そういった状況を改善するために、動物愛護週間が設けられているのです。
動物愛護週間の歴史
動物愛護週間の由来は、アメリカの動物愛護週間です。『アメリカ動物愛護協会』が1915年に、5月の第1日曜日から1週間を動物愛護週間としたことに由来します。
日本で初めて動物愛護週間を取り入れたのは『日本人道会』で、1927年に5月28日〜6月3日を動物愛護週間としました。1937年には、動物愛護に貢献した人への表彰も実施されるようになりました。
その後、動物愛護週間の期間は何度か変更になり、現在のようになったのは1974年です。
動物愛護週間の行事
動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事を催すように努めなければならないと定められています。そのため、全国各地でさまざまなイベントが実施されています。どのようなイベントがあるのか確認しましょう。
どうぶつ愛護フェスティバル
動物愛護週間中央行事実行委員会によって開催されているのが、『どうぶつ愛護フェスティバル』です。しつけ教室や聴導犬のデモンストレーション、クイズ大会、表彰式など、年齢を問わず楽しめるさまざまな企画が用意されています。
獣医の仕事やシニア・シルバー世代とペットの暮らしなど、生活に役立つ貴重な話が聞ける講演会も見どころの一つです。ペットフードのサンプルやマイクロチップ啓発コーナー、シニアペット相談など、さまざまなブースも用意されています。
ポスターの公募
毎年ポスターデザインの公募が行われているので、応募してみるのもよいでしょう。絵画のテーマが決まっており、2022~2024年度は『子どもも大人も一緒に考えよう、私たちと動物』です。
最優秀作品である環境大臣賞には、賞状と記念品として約5万円の図書カードが贈られます。また、その年の動物愛護週間ポスターとして採用され、自治体や報道機関などに配布されます。
優秀作品に選ばれるのは5点です。動物愛護週間中央行事実行委員会委員長賞の賞状と、約1万円の図書カードが贈られます。
動物愛護週間の過ごし方
動物への理解や関心を深められる、おすすめの動物愛護週間の過ごし方を紹介します。自分の状況に合った過ごし方を見つける参考にしましょう。
家族で動物園に行く
動物園は、動物を身近に感じられる場所の一つです。家族で動物園に行き、さまざまな動物を観察したり、展示物をしっかり読み込んだりして、動物への理解を深めましょう。
また、直接動物と触れ合える場を設けている動物園もあります。実際に動物に触れることは、親近感や愛情を育むことにつながるでしょう。
多くの動物を観察するのもよいですが、好きな動物について事前に調べていき、じっくり観察するのもおすすめです。知識を深められるとともに、違った視点から見られたり、新たな気付きを得られたりするかもしれません。
動物のことを学ぶ
飼っているペットや好きな動物の特徴や習性などを学び、理解を深めるのもよいでしょう。
ペットの場合は普段から触れ合っているので、ある程度習性を知っているかもしれません。しかし、より深く学ぶことで理解を深められるだけでなく、ペットとの関係がよりよくなるきっかけになることも期待できます。好きな動物については興味を持って学べるため、楽しく知識を吸収できるでしょう。
さまざまな動物の特徴や習性をクイズにして楽しむのもおすすめです。正解を動画や画像を見ながら確認すると理解しやすく、楽しみながら知識が増やせます。
身近な動物との時間を増やす
動物愛護週間だからといって、何か特別なことをしなければいけないというわけではありません。日々、仕事や家庭のことで忙しく、特別な時間を取れない人などは、難しいことは考えずできることをして、動物について考えるきっかけにしましょう。
例えば、身近な動物との時間を増やすのも一案です。ペットを飼っている人は、一緒に過ごす時間を少し増やしたり、いつもよりたくさん話しかけたりしてみるのもよいでしょう。
ペットがいない人は、よく見かける近所の犬や猫に優しく話しかけるだけでも、動物愛護を意識することにつながります。