災害級の猛暑が身体に堪えるのは人間だけでなく、植物にとっても同じです!
そこで今回は、大切な植物を夏枯れさせないためにすぐできる暑さ対策をまとめました。
災害級の猛暑は「暑さに強い植物」にとってもツライ
異常気象ともいえる暑さのなかでは、植物もこれまで行っていた管理方法が通用しないことがあります。
特に2023年の7月は全国的に35℃越えの猛暑日が続いた上に、日照り続きで雨が降らないというダブルパンチ。日頃からガーデニングをしている人はすでに体感しているかもしれませんが、実体験として我が家でも本来なら夏に向いているはずの「日当たりを好む」植物や「耐暑性がある」はずの植物がこの気候に耐えられず枯れたり弱ったりしてしまいました。
いくら暑さに強いといわれる植物でも、災害級の猛暑では対策が必要なことがあります。
植物を夏枯れさせないための基本的な対策は以下の4つ。
1. 蒸れを防ぐ
2. 水切れを防ぐ
3. 地温の過度な上昇を防ぐ
4. 葉焼けを防ぐ
さらに環境によってできる対策が異なるため、今回は屋外の「地植え」と「鉢植え」、室内の「観葉植物」にケースを分けて詳しく解説していきます。
真夏の暑さ対策&夏越しのコツ<地植え編>
地植えの植物は、適度に雨が降れば水やりが要らないのがメリットです。
とはいえ真夏は話が別で、暑さで地表の水分が蒸発しやすく、2~3日雨が降らないだけでもすぐに乾燥して水切れしてしまうことがあります。鉢植えと違って移動することができないので、強い直射日光を回避するための工夫も必要です。
①蒸れ対策の間引き剪定をしておく
亜熱帯地域原産の植物を除き、多くの植物は通気性が良い環境を好むため日本の高温多湿な夏は得意とはいえません。蒸れは病害虫発生の原因になったり、根を腐らせる原因になります。
シンボルツリーや常緑低木などは、蒸れ対策の間引き選定をするのがおすすめです。花芽や新芽を切ってしまわないよう、剪定時期には注意しましょう。
草花であれば花がらや枯れた葉をこまめに取り除き、できるだけ通気性を良くしておくと蒸れ対策になります。
②水やりはできるだけ早朝に、自分が思うよりもたっぷりと
暑い季節を乗り越えるためには、庭木や地植えの草花であっても水やりをしてあげましょう。
水やりはタイミングが重要で、基本的には早朝と夕方の「涼しい時間帯」を狙います。気温が高い時間に水やりをすると、せっかく撒いた水がお湯になって根腐れを起こす危険があるためです。
ただし、暑い時間帯の水やりはNGとはいえ「シナシナの水切れ状態のまま数時間放置する方が良くない!」という意見もあります。そのあたりは植物の様子を見て臨機応変に対応するのが良いでしょう。
参考までに、もともと筆者は朝7時半頃に水を撒いていましたが、今年はその時間だとすでに外の気温は30℃を超えています。しかしあげないよりもあげた方が植物の調子は良いので、そのまま続けています。ちなみに「夏は日の出前に水やりをするといい」とよくいわれますが、さすがにそれは継続できないので…自分ができる範囲で朝早い時間にあげるのがベターかなと思っています。
雨が降らない場合は早朝だけでなく、日が落ちてくる夕方と併せて1日2回水やりをする日課をつけましょう。
水の量は自分が思うよりもさらにたっぷり!がコツです。地面の底30cmくらいまで水がしみるのをイメージして、根元に向けてホースのシャワーで30秒以上与え続けてみてください。
③「マルチング」で水切れと地温の上昇を防ぐ
マルチングとは、バークチップや堆肥、小石などで植物の株元を覆うことです。
地表から水分が蒸散するのを防ぐため、乾燥対策や水切れ対策になります。
地表に直射日光が当たるのを防ぎ、地温の上昇を抑えて根の負担を減らす効果もあるので夏の暑さ対策には推奨されています。
④直射日光が強すぎる場合は日除け対策をする
日当たりを好むといわれる植物でも、実は直射日光には弱いというケースは少なくありません。特に西日や真夏の日中など強すぎる直射日光に晒されると、葉が茶色に変色する「葉焼け」を起こしてしまうことがあります。
葉焼けした葉は葉緑素が破壊された状態なので光合成ができません。さらに1度葉焼けしてしまうと元には戻らないため、そのまま放置すると育成にも影響が出てしまいます。
地植えの植物は移動することができないため、葉焼け対策には「遮光ネット」や「よしず」などの日除けグッズを活用しましょう。
遮光ネットや園芸用支柱は100円ショップでも手に入ります。
ただし、完全に日光を遮断してしまうと日光不足になる恐れがあります。植物の特性(耐陰性や対暑性)に合わせて角度や日照時間を調整しながら設置してみてください。