団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる、いわゆる「2025年問題」に加えて、介護業界の人手不足。暗雲立ち込める将来に、思わず暗い気持ちになってしまうところではあるが、これらの問題を打開すると期待されている技術がある「ケアテック」だ。これはケア(介護)+テクノロジーを意味する造語。近年、これまでは主に人でしか十分なサポートができなかった介護を、ITやロボットを利用して効率化していく技術がようやく整ってきたのだ。
「厚労省は介護費用の効率化を図り、介護の担い手不足を解決するために住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続ける在宅ケアを推進。介護費用の効率化は喫緊の課題であり、介護者不足を解消するためにも地域の医療・介護支援者が高齢者支援を行なう必要があり、その実現に〝ケアテック〟が不可欠なのです」
と話すのは、ヤングケアラーだった自身の体験を生かして〝ケアする人のケアを行なう〟 「想ひ人」の代表・金子萌さん。
常に要介護者と向き合うのではなく、ある程度の部分はケアテックに任せることで、介護者の負担も軽減される。人の手を介して行なうケアももちろんすばらしいが、要介護者を見守りつつ、介護者にも安心感を与えてくれるのだ。
「ケアテックは、まだ広く知られていないので、まずは情報を広く得ることが必要です。介護を少しでも楽にするケアテックや制度などは実は多くありますが、それらを知らないと頑張りすぎてしまいます。介護をする人はそうしたサポートの手を借りてがんばりすぎないことが大事。人とITなどが手を取り合うと聞けば遠い未来の話に思えますが、今そんな時代が来ていますよ」
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