DJIは、DJI映像トランスミッターとDJI映像レシーバーを同梱した「DJI Transmission(スタンダードコンボ)」(以下、スタンダードコンボ)の販売を同社オンラインストアおよび認定ストアにて開始した。
DJIオンラインストアでの販売価格は317,460円。なお、「DJI Transmission(高輝度モニターコンボ)」(以下、高輝度モニターコンボ)をすでに購入済のユーザーは、映像トランスミッターと高輝度遠隔モニターをファームウェアバージョン01.05.05.00に更新してから、「スタンダードコンボ」のDJI映像トランスミッターとDJI映像レシーバーに接続する必要がある。
「スタンダードコンボ」は、特にプロダクションモニターと併用することを目的に設計されたモデル。既発売のDJI映像トランスミッターとDJI高輝度遠隔モニターを同梱した「高輝度モニターコンボ」に加えて、今回、DJI映像トランスミッターとDJI映像レシーバーを同梱した「スタンダードコンボ」が登場したことで、撮影監督は2種類のコンボから撮影シナリオのニーズにあったものを選択できるようになった。
1つのトランスミッターから複数同時受信
「スタンダードコンボ」でも、1台のトランスミッターに対し複数のレシーバーで同時受信可能であり、2種類の伝送モードを使ってシームレスな映像・音声伝送を実現。配信モードでは受信レシーバー数の上限がなく、リアルタイムの映像を同時に複数のレシーバーに出力できる。また、カメラインデックスの切り替えが容易でビットレートや動画コーデックのリアルタイムで表示できるので、撮影効率が大きく向上する。
さらに、高度な制御オプションでは、高輝度遠隔モニターと映像レシーバーを制御モードに切り替え、DJI Master Wheelsなどの制御デバイスとシームレスに併用できる。これにより、Ronin 2、RS 3 Pro、およびカメラのフォーカス調整は、最大2台のレシーバー側で遠隔操作することができ、配信モードで接続されたほかのデバイスには影響しない。
加えて、映像レシーバーは、リアルタイムでの1対1長距離通信が可能な音声通話機能に対応し、撮影監督とディレクター間のシームレスなコミュニケーションを実現する。
メタデータの伝送
DJI映像レシーバーはSDI経由のカメラメタデータ伝送に対応し、ARRIやREDのような主要なシネマカメラで利用できる。ファイル名、タイムコード、記録トリガー、カメラ設定、レンズ情報などを含む詳細な撮影情報を、レシーバーからモニターやQTAKEに伝送することができるので、ディレクター、撮影監督、DITチームは、包括的な撮影データを確認でき、現場での全体的なワークフローの効率性を向上することが可能だ。
DJI高輝度遠隔モニター
DJI高輝度遠隔モニターは、レシーバーを内蔵し、どんな現場でも優れた携帯性を発揮。遠隔モニターにはRonin 4Dのものと同等の画像処理チップが内蔵され、1台でレシーバー、モニター、コントローラー、レコーダーの役割も果たし、包括的な機能を提供する。
DJI LiDAR レンジファインダー (RS)
DJI Transmissionケーブルハブを使用すると、フォーカスシステムとモニタリングシステムを組み合わせて利用することができる。DJI映像トランスミッターとDJI RSフォーカスモーター(2022)を、DJI LiDARレンジファインダー (RS)に接続することで、マニュアルレンズであってもレンズキャリブレーションやオートフォーカスを実行することができ、RS 3 Proに接続する必要はない。
また、Ronin 4Dハンドグリップを使用してこのセットアップに接続し、LiDARウェーブフォーム技術を活かして、正確なマニュアルフォーカスを実行することも可能。さらに、DJI RS 3 Proと接続すると、このデバイス構成はスタビライザー、遠隔モニター、ジンバル制御、LiDARフォーカスシステムがシームレスに統合された、包括的な撮影ソリューリョンとなる。
サポートツール&独立した録画機能
高輝度遠隔モニターには、セーフティゾーン、フレームガイド、ゼブラストライプ、フォルスカラー、ピーキング、ウェーブフォームといった必須ツールが搭載され、2回タップするだけでズームを制御し、画面のカラー キャリブレーション、カスタム 3D LUTも使用することができ、正確な構図、露出、焦点調整を行なえる。
また、遠隔モニターには、microSDカードスロットが搭載され、1080p/60fpsまでのH.264ライブ映像の独立した録画や再生が可能。さらに、このモニターはカメラとシームレスに録画映像を同期できるため、便利なプロキシファイルの編集が可能になる。
多様な機器に対応
高輝度遠隔モニターはRonin 4Dハンドグリップに対応し、Ronin 2やRS 3 Proのジンバル動作やフォーカス、カメラパラメータを正確に制御することができる。また、DJI Master WheelsやDJI Force Proに対応し、多様かつ高度なジンバル制御オプションを利用すること可能。DJI Transmissionとこれらの機器を一緒に使用することで、優れた伝送性能、信号伝送範囲、安定性、耐干渉性能を発揮する。
DJI映像レシーバーには様々なポートが搭載され、幅広い接続オプションを提供。3G-SDI出力ポート2つとHDMI 1.4 Type-A出力ポートを搭載し、どちらも1080p/60fps動画出力に対応している。
製品情報
https://www.dji.com/jp/transmission
構成/立原尚子