初めて車を所有した場合、車検の期間が分からないこともあるでしょう。車検が切れた車は公道を走れなくなってしまうため、有効期間内に車検を受けておかなければいけません。そこで、車検を受けられる期間や有効期間について詳しく解説します。
車検を受ける頻度
車検は継続して車を使用するための検査で、法律で定められた頻度で受けなければいけません。まずは、何年置きに車検を受ける必要があるのか確認しましょう。
車検の頻度は2年ごと
自家用自動車や小型自動二輪車は、2年ごとに車検を受けます。キャンピングカーなどの特殊用途自動車(8ナンバー)も、同じく車検は2年ごとです。
車検が必要な二輪自動車は、排気量が250ccを超えるものだけです。125cc以下の原動機付自転車や、125cc超~250ccまでの軽二輪自動車は、車検を受ける必要はありません。
ただし車検の要不要にかかわらず、自動車・原動機付自転車の所有者は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入を義務付けられています。
自賠責保険は車検時に確認されますが、車検が不要な場合にも更新を忘れないように注意しましょう。
新車登録の初回の車検
車検は通常は2年ごとですが、新車を購入した場合に限り、初回の車検までの期間が異なる自動車があります。
自家用自動車や排気量が250ccを超える二輪自動車は、購入の際に受けた検査の有効期間が3年となります。
普通自動車でも軽自動車でも変わりません。しかし特殊用途自動車は、初回車検も新車登録後から有効期間は2年となっています。
注意したいのは、購入してから3年ではなく、新車登録時から3年という点です。中古車を購入した場合はその限りではありません。
車検が受けられる期間とは?
車検も運転免許証のように、更新手続きができる期間が決まっているのでしょうか?車検を受けるタイミングや予約について解説します。
車検はいつでも受けることができる
満了日前なら、車検はいつでも受けられます。長期出張や海外旅行などの最中に満了日を迎えてしまうようなときは、数カ月前に前倒しで車検を受けることも可能です。
満了日を過ぎてしまうと、公道を走れなくなります。車検が切れた状態で公道を走行してしまうと、道路運送車両法により、30日の免停処分、30万円以下の罰金、6カ月以下の懲役といった厳しい罰則が科されます。
車検切れの車を運転するためには、役所で自動車臨時運行許可番号標(仮ナンバー)を申請しなければいけません。面倒な手続きを増やすことのないよう、満了日をしっかり確認しておきましょう。
参考:道路運送車両法
車検を受けるおすすめのタイミング
車検は、満了日直前の30日の間に受けるのがおすすめです。なぜなら一部の地域を除いて、この期間に車検を受けた場合は、有効期間が短縮されないからです。
例えば8月15日に満了日を迎えるとして、7月20日に車検を受けたとしても、次回の満了日は2年後の8月15日となります。
しかし、前倒しして4月15日に車検を受けたとすると、次回の満了日が2年後の4月15日になってしまうのです。
車検は車の状態によっては大きな出費になることもあります。トータルで見てお得に車を使用したいのなら、特別な理由がない限りは、期間が短縮されない時期に車検を受けておくとよいでしょう。
車検の予約は早めにしよう
車検は以下のような理由から、余裕を持って予約することが大切です。
- 希望する日程を予約できる
- 満了日を過ぎてしまうリスクを回避できる
- 早割制度を設けている業者もある
満了日ぎりぎりで予約しようとすると、混み具合によっては希望の日程が押さえられないこともあります。
先の予定を立てられるのであれば、早期割引を利用するとお得に車検が受けられます。早めの予約なら代車も確保しやすいため、通勤や送迎で日常的に自動車を使用している人も安心です。
車検の更新通知は、一般的に販売店やディーラーから、満了日の2~3カ月前に送られてきます。通知を受け取ったら、なるべく早く車検の予定を入れておきましょう。
車検の期間をチェックする方法
間違いなく車検を受けるためには、更新通知を待つだけではなく、自分でも満了日を把握しておいた方が確実です。それでは、車検の満了日はいったいどこで確認すればよいのでしょうか?
自動車検査証や自賠責保険証
自動車検査証(車検証)とは、車両が保安基準を満たしていることを証明する書類です。車検証の『有効期間の満了する日』という項目に、満了日が記載されています。
運転するときは、必ず車検証の原本を車に積んでおかなければいけません。自動車を購入した場合、納車同時に車検証も渡されているはずです。
また、自賠責保険の『保険期間』という項目でも、車検の満了日をある程度把握できます。ただし、保険期間と車検の満了日がずれていることも少なくありません。
通常、自賠責保険は車検に合わせて契約期間が決められますが、車検の最中に自賠責保険が切れてしまうことを防ぐため、車検の満了日より1カ月ほど長めに設定されることが多いのです。
検査標章
検査標章とは、フロントガラスに貼り付けられた、正方形の青いステッカーのことです。保安基準に適合していることを証明するため、標章は車検に通った後、自動車検査証(車検証)とともに運輸支局や軽自動車検査協会から交付されます。
内側には、『自動車検査証の有効期間の満了する日』が分かりやすく記載されています。車外から見たときは、大きい数字が月を、小さい数字が年を表しています。
なお、検査標章の貼り付け位置は、2023年7月3日より『前方かつ運転者席から見やすい位置』に変更されました。貼り忘れは道路運送車両法109条違反となり、50万円以下の罰金となるため、気を付けましょう。
また、検査標章以外にも点検整備済ステッカーと呼ばれる丸いシールが貼られていることがあります。これは車検ではなく、定期点検が済んだことを示すものなので、車検の満了日は確認できません。
車検の有効期間の一覧
自動車には『自家用自動車』と『事業用自動車』の2種類があり、それぞれ車検の期間も異なります。車種や用途ごとに、車検の有効期間を確認しておきましょう。
自家用自動車
自家用自動車とは、日常での移動手段として、通勤や買い物など自分の用途で使用するための車のことです。
普通自動車・軽自動車・二輪自動車はもちろん、8t以上の貨物自動車や大型特殊自動車であっても、個人の目的で使用するものは自家用自動車になります。
主な車種における、車検の初回車検と継続車検の有効期間は以下の通りです。
- 普通・小型自動車:初回車検3年、継続車検2年
- 軽自動車:初回車検3年、継続車検2年
- 小型二輪自動車:初回車検3年、継続車検2年
- 特殊用途自動車:初回車検2年、継続車検2年
- 軽貨物車:初回車検2年、継続車検2年
運送事業用
運送事業用車とは、人や荷物を運んで利益を得る事業に使用される車のことです。例えば引っ越し業者・運送会社のトラック・タクシーなどが挙げられます。
一見して自家用自動車と区別できないものも多いですが、ナンバープレートの色が違います。事業用の普通自動車は緑ナンバー、軽自動車は黒ナンバーです。
主な車種における、車検の初回車検と継続車検の有効期間は以下の通りです。
- 旅客自動車:初回車検1年、継続車検1年
- 貨物トラック(8t以上):初回車検1年、継続車検1年
- 貨物トラック(8t未満):初回車検2年、継続車検1年
- 軽貨物車:初回車検2年、継続車検2年
- 二輪自動車:初回車検3年、継続車検2年
レンタカー
車種は自家用自動車と同じですが、レンタカーになると車検の有効期間が変わってきます。レンタカーの所有者は業者であるため、借り主が車検に出すことはありません。
主な車種における、車検の初回車検と継続車検の有効期間は以下の通りです。
- 普通・小型自動車:初回車検2年、継続車検1年
- 軽自動車:初回車検2年、継続車検2年
- 小型二輪自動車:初回車検2年、継続車検1年
- マイクロバス:初回車検1年、継続車検1年
- 特殊用途自動車:初回車検2年、継続車検1年
構成/編集部