今、地域に根ざしたスーパーマーケットの弁当や総菜が熱い! 今回、スーパーマーケット研究家に協力を仰ぎ、編集部で全国各地の〝ご当地スーパーめし〟をチェック!! わざわざ出張してでも食べたい逸品を紹介する。
味と映えと技術に注目!行列スーパーが急増中
旅の醍醐味はご当地グルメ。最近では、観光者向けではない「地元の日常食」を求め、スーパーの弁当や総菜、自家製スイーツなど「ご当地スーパーめし」が旅の楽しみのひとつとなっています。
昔は「ごめんね、スーパーの総菜で」だったのが、今は「◯◯スーパーのあの総菜が食べたい!」に、消費マインドが大転換。その背景には、女性の社会進出とスーパー側の企業努力がありました。
揚げ物ばかりから脱却し、魅力ある総菜売り場に進化。約10年前に〝ご当地〟ブームが到来すると、テレビでも「ご当地スーパー」を紹介。やがてSNSを通じ、そこでしか食べられない自家製の弁当・総菜の情報が発信されるように。
その中に、宮城県・主婦の店さいちの『おはぎ』や愛知県・ダイワスーパーの『フルーツサンド』がありました。現在、多くのスーパーでそれらが売られるようになったもととなる店です。新しいビジネスモデルとし、個性的な「ご当地スーパーめし」が続々誕生。さらに「お弁当・お惣菜大賞」や、「ご当地スーパーグランプリ」などのアワードも人気を押し上げ、スーパー総菜部の技術とモチベーションが高まっています。その熱い心に優劣はなく、私の評価はすべてが1等賞です。
スーパーマーケット研究家
菅原佳己さん
全国のご当地スーパーを巡り、その魅力を発信。『47都道府県 日本全国地元食図鑑』(平凡社)など、著書多数。
北陸のおすすめ3選
【富山県】昆布大国の庶民派グルメ
アップルサンショウ 新根塚町店
青果店として創業し71年。「食からの健康」をテーマに市内に2店舗。季節によりホタルイカや白エビも並ぶ。
『どんどん焼き』108円(1枚)
新鮮で手頃な寿司や刺身に目がいく中で、人気があるのが目の前の鉄板で焼かれる『どんどん焼き』。小麦粉のタネを薄く焼き、甘辛のソース、昆布、干しエビ、カツオ節をのせ半月に折ったもので、「シンプルながら旨みたっぷり」(菅原さん)な、お祭り定番の味。
ご当地度 ★★★ 知名度 ★★☆ 映え度 ★★★
【福井県】地元の名水で仕込んだ和パフェ
ハニー新鮮館(全店)
1946年創立の芦見屋を母体にし、奥越・福井・坂井地区を中心に展開する総合食品スーパー。地元食を大切にする作りたて総菜が人気。
『丁稚ようかんの和風ぱふぇ』321円
地元大野市の和菓子といえば、丁稚ようかん。一説には丁稚さんの帰省時、奉公先が持たせてくれた羊かんに水を加えて煮て増やし固めたとか。そんな地元名産品をパフェにした和風スイーツ。水ようかんは地元大野の名水を使って自社製造している。「お弁当・お惣菜大賞2023」入賞。
ご当地度 ★★★ 知名度 ★★☆ 映え度 ★★★
【富山県】魚が好きになる北陸三昧
アルビス
1968年設立。店舗数は66店舗。富山県・石川県・福井県の北陸3県のほか愛知県、岐阜県にも展開する。
『北陸の伝統 味めぐり「繋」⾚⿂醤油⼲』754円 ※土日限定販売
10品の食材が盛り込まれた豪華弁当!石川の老舗大野醤油を利用して漬け込んだ赤魚をメインに富山の白エビ天ぷらなど「北陸の文化や魚の食べ方を記したお品書き付きがついているのも◎。見た目は、小さな会席弁当のよう!」と菅原さん。「お弁当・お惣菜大賞2023」入賞作。
※季節により原料が変更になる場合があります。
ご当地度 ★★★ 知名度 ★★★ 映え度 ★★★