レモンサワーブームが定着、個性派レモンサワーから個性派サワーへ進化
飲食店にとって、ドリンクは利益率が高くありがたいメニュー。特にサワー類はアレンジしやすいので店の個性を出しやすく、インスタ映えもするので集客力があるというありがたい存在だ。ちなみに「サワー」の定義はサントリーによると、「スピリッツをベースに、柑橘類などの酸味のある果汁と、砂糖など甘みのある成分を加えて作るカクテルの一種に、ソーダを加えた飲み物」ということになっている。
居酒屋に最初のレモンサワーブームが巻き起こったのは、1980年代。それまで下町の一部の店で愛されていたドリンクが、「養老乃瀧」「つぼ八」「村さ来」という「居酒屋御三家」が提供することで全国的に人気が広がった。次のブームが2010年前後。恵比寿の「晩酌屋おじんじょ」が今までにない“進化系レモンサワー”を提供して話題を呼んだことがきっかけで、氷の代わりに凍結レモンを使ったもの、レモンを丸ごとすりおろしたものなど店独自の工夫をこらした進化系レモンサワーを提供する店が増えた。
そして現在、進化系の個性派レモンサワーを出す店ももはや珍しくなくなり、さらに進化をとげた独自のサワーを出す店も増えている。今回は筆者が訪れた店の中から、サワーが美味しい夏にぜひ飲んでおいて欲しい5品を紹介する。
①「高丸電気」(渋谷)の「レモンチェッロde酎」
第二次レモンサワーブームの仕掛人といわれる高丸聖次氏が、恵比寿の「晩酌屋おじんじょ」の次に出した店「高丸電気」のレモンサワーメニューの中のひとつ。炭酸のグラスの上にレモンチェッロ入りの小さいグラスがもうひとつ乗っていて、自分で好きな量を入れるスタイル。
スタンダードのレモン酎ハイよりちょっと甘めで、レモンチェッロ単体で飲んでも美味しい。このほか、調味料として使われるレモン塩をすりつぶして入れた「瀬戸田のレモン塩de酎」(530円)も塩のさっぱりしたうまみが感じられておすすめ。
◎高丸電気
第二次レモンサワーブームの仕掛人といわれる高丸聖次氏が、恵比寿の「晩酌屋おじんじょ」の次に出した店。
②大衆酒場レインカラー」(学芸大学)の「大衆酒場の生レモンサワー」
特殊な装置で中をくり抜いたレモンに入った果汁を、自分でグラスに注ぐスタイル。最初にレモンを丸ごと渡されて驚き、中に満杯のレモン果汁が入っていてさらに驚く仕掛け。まさに“レモン1個分の果汁”を実感できる、果汁感豊かなレモンサワー。時間が遅くなると、各テーブルの上に何個ものレモンが転がる。
学芸大学で15年以上愛され続けた自然派ワインの店「ワイン食堂レインカラー」オーナーの手島義朋氏が、2019年9月20日にオープンした店。