ポケモンの世界を彩るのはポケモンだけではない。その最たる例がゲーム音楽だ。ポケモンセンターの回復音(テンテンテテテン!)のように、我々の頭に染みついている〝ポケモン音楽〟が持つ可能性に迫る。
「Pokémon Music Collective」とは?
2022年9月に『ポケットモンスター』シリーズのゲーム楽曲に光を当てるため発足した音楽プロジェクト。様々なアーティストがゲーム『ポケットモンスター』に収録されたゲーム音源を自由に使い、楽曲を制作する。2023年下期に複数の楽曲をまとめたアルバムをリリース予定だ。
音楽を軸にして拡げていく「ポケモンでつながる輪」
昨年9月に発足し、今後も国内外の数多くのアーティストコラボを予定する「Pokémon Music Collective」。「始まりは2年前にさかのぼります」と、「Pokémon Music Collective」のリーダーであるポケモン・片上秀長さんは同プロジェクトの契機をこう語る。
「ポケモンはゲームやカードゲーム、映像や商品など、様々な形でファンの方々に支えられています。ただ、音楽という切り口ではまだまだ伸びしろがあると考えていました。そんな時に、アメリカでポケモン25周年企画の音楽プロジェクト『Pokémon 25:The ALBUM 』が始動しました」
ポスト・マローンやケイティ・ペリーといった、海外のビッグアーティストが参加した同アルバムには、ポケモン本国である日本からも音楽プロデューサー・Yaffleさんが参加している。
「配信されてみると、錚々たるメンバーの中で、ゲーム楽曲をサンプリングして作曲したYaffleさんとの楽曲がアルバムの中でも上位に入るほど聴かれていました。アーティストがそれぞれのスタイルで『ポケットモンスター』のゲーム音楽を解釈して楽曲を制作する。その曲を聴いて、『懐かしい』『この歌、あの名シーンだ!』といった反応とともに喜んでくれるファンが世界中にいることに気づかされました。そこからユニバーサルミュージックさんとの共同で本プロジェクトが始まりました」(片上さん)
株式会社ポケモンは「Pokémon Music Collective」のほかにもゲーム楽曲を無料で聴くことができる「Pokémon GAME Sound Library」を今年2月にリリース。〝ポケモン音楽〟という視点で、より気軽にポケモンの世界に触れる機会を増やしている。
「『Pokémon GAME Sound Library』はコアファン向け、『Pokémon Music Collective』はポケモンをよく知らない人にも純粋に曲として楽しんでほしいと考えています。音楽というジャンルで、ポケモンとのつながりが拡がっていくことを期待しています」(片上さん)
『ポケットモンスター 赤・緑』および『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』のBGMや効果音など全194曲を無料で視聴できる。また、いくつかの楽曲は音源データや楽譜をダウンロードすることも。
【第1弾EP】2022年9月16日配信『うたう』―imase
昨年9月に第1弾EPとして、TikTok発アーティスト・imaseさんとの楽曲『うたう』を配信。ポケモンセンターを基調としたビートに、〝人影=ヒトカゲ〟といった示唆に富む歌詞が話題に。
ⓅⒸ2022 Universal Music LLC.Published by Universal Music Publishing and Pokémon.
【第2弾EP】2023年7月12日配信『One and Only』―ENHYPEN
7月12日に配信された第2弾は7人組の男性K-POPアーティスト・ENHYPENとのコラボ楽曲『One and Only』。