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運動習慣やBMIの平均値は微増だが標準偏差が拡大、コロナ禍によって日本人の運動不足と過体重は二極化傾向に

2023.08.14

コロナ禍が健常人の生活習慣に及ぼす影響を全国規模で調べた初めての研究

東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の越智小枝講座担当教授らは、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)との共同研究により、NTTコミュニケーションズのモニターの中から年齢・性別・居住地の分布が全日本人の分布と合致するように選んだ1万6642名(男性8022名、女性8620名)を対象にオンラインアンケート調査を実施。体重と1週間あたりの運動日数につき質問を行なった。

その結果、新型コロナウイルス感染症の第3波~第5波の流行時期であった2020年10月から2021年10月の間に、日本人の運動習慣や体重(Body mass index: BMI)が二極化している可能性が示唆された。

2019年末より始まったSARS-CoV-2パンデミック(以下、コロナ禍)は、人々の生活習慣に大きな影響を及ぼした。自粛生活やテレワークの導入、精神的ストレスなどにより、健康な人でも長期的な健康影響を受けた可能性は否定位できない。

その大きさを知るとともに、どのような人々が影響を受けやすかったかを調査することは、今後再び起こり得る災害に備えるためにも重要だ。

本調査では2020年10月~2021年10月まで計5回のアンケート調査を行ない、運動習慣(1週間に運動をする日数)、体重の変化を調べた。これはコロナ禍が健常人の生活習慣に及ぼす影響を全国規模で調べた初めての研究になるという。

本研究の成果は2023年7月19日にPLOS Global Public Health誌Volume 3, Issue 7, e0001732. ( https://doi.org/10.1371/journal.pgph.0001732 )に掲載された。

調査結果と研究の要点

・運動習慣では、平均運動日数は増加したにもかかわらず標準偏差(値のばらつき)が増加し、さらに運動習慣が極端に減った人の割合も経時的に増加していることから、運動習慣の二極化が起きたことが示唆された。
・BMIについても平均値が微増にとどまったにもかかわらず標準偏差が男性は54→3.74㎏、女性は3.49→4.03㎏と増加しており、健康への影響が二極化している可能性が示唆された。
・1年間で新たに過体重(BMI 25以上)となった人の割合は男性で約7%、女性で約3%だった。これはコロナ禍が長期的に国民への健康影響を及ぼし得ることを示している。
・二極化の原因としてコロナ禍の影響を特に受けやすい集団がいる可能性を考えリスク解析を行ったところ、高年齢層の女性、コロナ既感染の男性のリスクが高く、また中年男性は過体重となるリスクが高いことが示された。
・調査前に運動習慣があった人は、運動習慣はむしろ増える傾向になった。

今回の調査結果から、コロナ禍により一部の集団が特に生活習慣への影響を受けやすかったことが推察される。

高齢女性は情報源の偏りや社会生活の途絶により特に影響を受けやすかった可能性があるが、この年齢層の運動不足や過体重は寝たきりリスクにもなる。コロナ禍が空けつつある現在、この年齢層の人の外出や運動を呼びかける等、積極的な生活習慣への介入が必要と考えられる。

また今後の災害においても、情報弱者・買い物弱者となり得る高齢者には優先的なケアが必要。男性については、新型コロナに感染した人々への心身のケアが必要である可能性が示された。また災害前から運動習慣を持つことの重要性も示された。

関連情報
http://www.jikei.ac.jp/news/press_release_20230804.html

構成/清水眞希

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