Google Pixel Watchは、FeliCa対応のスマートウォッチである。
日本は「非接触型キャッシュレス決済のガラパゴス」と言われてしまっているが、それは通信速度に優れたFeliCaでないと鉄道駅の自動改札機で詰まってしまうという事情がある。国際的な互換性よりも国内の交通事情を第一に考える姿勢は、20年前も今も変わっていない。
故に、FeliCa対応のPixel Watchは日本では巨大とも言える潜在需要があるのだが、そんなPixel WatchがiDとQUICPayにも対応するようになった。
普段使いのクレカを進化させる
iDはNTTドコモが、QUICPayはJCBが提供する電子マネーブランドである。
クレジットカードをGoogle PayやApple Payと紐付けした際、よくこの2銘柄のマークがカードにつくことがある。たとえば「Q」のロゴがついていたのなら、それはQUIC Pay対応店での決済に利用できる。
この仕組みを理解すれば、普段使いのクレカを進化させることができる。
たとえば以下の画像のバーチャルカードは、ANA Payが発行したもの。
VisaとiDのロゴが描かれているが、これは言い換えれば規格の異なるNFCの壁を乗り越えることができるという意味だ。
Visaのタッチ決済とFeliCaでは、NFCの規格が違う。このあたりで日本のキャッシュレス決済情勢に亀裂が生じてしまっている事実は後述するが、画像のようにVisaとiDのロゴがあるバーチャルカードであれば使い勝手が大幅に広がる。
たった1枚のカードで、Visaタッチ決済もiD決済も利用できる。ここに生じる恐るべき利便性を、文章でどう表現したらいいのか悩んでしまうほどだ。
日常生活の煩わしさも解消!
例を挙げれば、スーパーマーケットのセルフレジ。
セルフレジだから当然キャッシュレス決済に対応しているが、「具体的にどの銘柄に対応しているのか」が一目で判別できないことも。対応銘柄のロゴを記載したステッカーが、間近なところに貼られていなかったりするわけだ。
というわけで、ここはVisaタッチ決済とiDに対応する上述のANA Payバーチャルカードを使ってみよう。非接触型の2銘柄に対応しているから、決済の成功確率はかなり高い。
クレカをスマホに搭載することで、「新たなFeliCa銘柄を実装できる」というメリットが発生する。これは現代日本を生きるための生活テクニックでもあり、我々の国の特殊性を示す事象でもある。