地図も「紙の冊子」を持っていこう!
「必ずしもペーパーレスが最良の手段ではない」ということは、保険証券だけでなく地図にも言える。
筆者自身、バイクでの移動にはGoogle Mapを頼りがちだ。これは都市部や沿岸部、高速道路なら十分だが、山間部となると心許ない。
冊子の道路地図帳とGoogle Mapとでは、「掲載の情報量」という点から見れば大人と子供くらいの差がある。環太平洋火山帯に沿う高低差の激しい火山島の道路を、よくここまで調べたものだ……と感心してしまうくらいに我が国の道路地図帳は隅々まで描かれている。
最近では道路地図帳も電子化されてはいるが、それでも紙の冊子は揃えておきたい。バイクなら尚更である。スマホは電力を必要とするが、紙ならそんなものは不要。いざとなればペンで直接書き込みもできる。
現在位置の確認はGoogle Mapに頼りつつも、走行ルートの模索する際は道路地図帳を利用する使い分けももちろん可能だ。
トラブルを避けるための「アナログ対応」
このように、山間部への行楽は「都市部ではまず起こり得ないトラブル」が想定される。
24時間オンライン環境下にいることが当たり前になった現代、それでも日本には「当たり前の例外」のような地域がまだまだあることを忘れてはいけない。
その流れでさらに考えると、ドライブやツーリングの際は現金も必要だ。
山間部のガソリンスタンドは、必ずしもキャッシュレスに対応しているというわけではない。しかし、都市部からやって来た人はどうしても「都会の常識」で物事を考えてしまうことがあり、山間部に来たのに現金を持っていなかったせいで予期せぬトラブルが……。
この場合、山間部に住む人々に対して「キャッシュレス決済の利便性」を唱えるよりも、都市部から来る人が予め現金を用意していたほうが手っ取り早い。
年に一度の行楽を楽しく過ごすためにも、非常時を想定した「アナログ対応」は欠かせない。
取材・文/澤田真一