コード決済に対しても「決済できない詐欺」が!?
「決済できない詐欺」は、何とPayPayに対しても行われたという。
これも同様に、店員が「すいません、今のはどうやら決済できなかったようです」と嘘をつき、客に何度も同様の決済をさせる……という手口だ。それにしても、PayPayはクレカと違って「決済完了」が客のスマホの画面に出るから、これはすぐにバレてしまうのでは……?
が、筆者個人の常識でこの事件を観察してはいけない。前述の通り客は酒によっている状態で、その上コード決済やアプリの仕組みについてあまり詳しくない人はこのような詐欺に遭ってしまう可能性があるはずだ。
ここは「スマホを使った決済のメリットは?」という説明からしていきたい。
PayPay、楽天ペイ等を含むスマホ決済のメリットをひとつ挙げれば「決済履歴をいつでも閲覧できる」ということだ。紙のレシートなど受け取らないから、自分がいつどのような買い物をしたのか分からない……ということはまず起きない。
しかも、決済履歴は即時反映である。先程の取引が本当に決済されたのかそうでないのかは、己のスマホの画面を見れば分かることだ。
そうしたことを概念として認識していないコード決済利用者が、実は少なくないのではないか。
言い換えれば、そのあたりの仕組みをしっかり理解しておけば、スマホ決済こそ実は無駄な買い物による散財を防ぐ手段であるという結論に到達するはずだ。
それでもキャッシュレス決済のほうが安全!
ほんの数年前までは「キャッシュレス決済は金銭感覚を失わせ、利用者を散財に陥らせる」という論説を唱える人が数多く存在した。
それは一般人ではなく、名の知れたジャーナリストや論壇家である。
しかし、金というものは電子化したほうが1日の使用上限も決められるし、何より「いつどこで何のためにこの額を使ったのか」という情報が自動で蓄積される。
その仕組みを知識として知っているかどうかというよりは、ひとつの概念として定着しているかどうかの問題ではないかと筆者は考える。
筆者が危惧しているのは、上記の事件を報道で知って「やはりキャッシュレス決済は危ない」と漠然と感じてしまう人が出ているのでは……ということだ。
キャッシュレス決済は、その仕組みと概念を理解していれば極めて安全に利用できるものである。
【参考】
『新橋の風俗店主ら、客のクレカで何度も決済疑い 警視庁が逮捕』毎日新聞 2023年7月26日
https://mainichi.jp/articles/20230726/k00/00m/040/241000c
構成/DIME編集部