久々に帰省した子供たち
たとえば『昔ながらのナポリタン』などは、40%も増量したらとても一人では食べ切れない。175cm96kgの筆者がそう判断するのだから、女性なら尚更である。
従って、これは多人数で食べるものなのだ。では、「多人数」とは具体的には何か?
「実家に帰省した子供と孫たち」や「キャンプ・BBQに集まった友人たち」ではないかと筆者は考える。
多人数が集合して皿を囲む機会が、1年のうちにどれだけあるかということを考えてみよう。大抵の場合はお盆と年末年始くらいではないか。筆者自身、子供の頃は静岡市の祖父母の家に年2回顔を出していたものだ。
筆者の父親は刑務官で、八王子医療刑務所に勤めていた。官舎はそこから近い相模原市にあり、故に筆者の少年時代は相模原の住民だった。だからこそ「実家に帰省する」ということをしていたのだ。
東京都のベッドタウンである相模原市在住の子供は、筆者に限らずそんな具合である。官舎で一番仲の良かった同い年のMくんも、両親の実家は北海道だった。だから毎年、筆者のためのお土産のガラナを買ってきてくれた。
話は逸れたが、これを「実家の祖父母」の視点で考えてみよう。今日は相模原から子供と孫が来る予定だ。もちろん、彼らをもてなすつもりではあるがとりあえず――そう、とりあえず今夜は出来合いのもので済ませてしまおう。手料理は明日の晩からで構わない。
そういうシチュエーションとファミマの40%増量作戦は、極めて相性が良いのではないか。
「多人数で楽しむ食品」の需要
ましてや、今年の夏は行動制限がない。
筆者は今、この記事を書きながら2020年と2021年の夏を振り返っている。その頃はお盆になっても年末年始になっても実家へ帰省するどころではなく、ただただ自宅に引き籠もるしかなかった。
だからこそ、今年のお盆休みはどこの家も活気づくに違いない。そしてそれは、「多人数で楽しむ食品」の需要を意味する。
ファミリーマートに追随するコンビニ、そして大手小売事業者は今後現れるのではないか。
COVID-19はもはや消えてなくなった……というわけではまったくない。が、自宅で籠もっていた2年前はもはや過去の出来事になり、今は靴を履いて行動する段になった。日本から遥か西方の国で発生した戦火は今も止む気配はない。食品価格も高止まりしている。
だからこそ、製造コストを一見無視しているかのような増量キャンペーンに大きな意義が発生するのだ。
本当の意味での「初年度」
此度の40%増量作戦は、ともすれば「奇をてらう内容の企画」として取り上げられることが多い。
しかし、40%増量作戦は「この時期だからこそ」のキャンペーンであり、また日本人の行動に見事合致した催しでもある。
そして行動制限が撤廃された今年2023年こそ、40%増量作戦にとっては本当の意味での「初年度」と言えるのかもしれない。
【参考】
お値段そのままデカくてうまい!! だいたい40%増量作戦-ファミリーマート
https://www.family.co.jp/campaign/spot/2308_40up_Gi9mbVPAcp.html
取材・文/澤田真一