メルカリ物価・数量指数に見る、「スマートフォン/携帯電話」の取引傾向について
「メルカリ物価・数量指数」は、月間利用者数2,200万人超のフリマアプリ「メルカリ」を活用し、「メルカリ」内の取引価格と流通数量の変動状況を、「メルカリ」における商品カテゴリー毎に月単位で表す価格指数と数量指数だ。
個人間商取引における消費者の需要を可視化していく世界初(※7)の取り組み。各種データを参照した消費トレンドを発信している報道関係者をはじめ、物価変動を取り扱うマクロ経済学、消費者行動、マーケティング等の研究者に情報を開示し、経済・研究活動に寄与することを目的としている。
本記事では、「メルカリ」の“中カテゴリー”内のトピックカテゴリーの商品を紹介している。
※7:メルカリおよびUTEcon調べ。基準年月を2018年1月から2020年1月に今回より改訂している。
「スマートフォン/携帯電話」カテゴリーでは、最新スマートフォン端末の価格上昇が中古スマートフォン市場にも波及していることが読み取れる。
より手頃な価格で端末を手に入れたいというニーズから中古品を選択する傾向が見られ、需要の増加によって中古スマートフォンの市場価格が上昇していた。
コメント:メルカリ総合研究所研究委員 韓昇勲(ハン スンフン)
今月ピックアップした「スマートフォン/携帯電話」に関して、今年の9月には新型iPhoneの発表が予定されており、再びiPhone売買の盛り上がりが予測されます。
また、格安スマホやSIMフリースマホの市場拡大に伴い、コスパ重視で中古端末を購入するニーズも増加しています。
加えて、物価上昇による節約志向が強まるなか、コストパフォーマンスを考慮し、大手通信会社以外でスマートフォンを購入する選択肢が一般的になりつつあります。
フリマアプリ上でのスマートフォン取引数も年々伸長しており、スマートフォン本体の取引のうち、63%が3日以内に売れているというデータもあります。
その背景には「下取り価格より高値で取引できる」「下取りでは査定不可だった商品でも売れる」といった、フリマアプリならではの特徴・利用メリットがあると考えられます。
また、6月のメルカリ物価指数においては、「メルカリ」における「スキー」カテゴリーの物価指数が上昇しました。新型コロナウイルスが5類感染症に移行し、旅行の機会が増えた背景を受け、アウトドア関連商品の「メルカリ」内で需要が高まったことが伺えます。
円安や製造・部材費高騰に伴うスマートフォンの新品価格の値上げが予測され、また、生活者の行動範囲が広がる中で、中古市場にもどのような影響が反映されるのか、今後の動向を注視していきたいと思います。
関連情報:https://jp-news.mercari.com/items/smartphone/
構成/Ara