普段、さまざまな場面で見聞きする機会の多い「POP」という言葉。音楽ジャンルやIT業界など幅広い分野で使われており、一般的に英語で表記されることが多い。しかし、業界によって言葉の意味が異なるため、何の略称か正しく答えられない人も意外に少なくだろう。そこで本記事では、「POP」の読み方や意味を詳しく解説する。
「POP」とは?
「POP」の読み方は「ポップ」。英単語としてのPOPが持つ意味は、大きく分けて以下の4つだ。
1.物や人が突発的に飛び出す様子
2.物がポンと音を立てて弾ける擬音
3.幼児などが父親を呼ぶ際の略称
4.武器を用いて標的に射撃する
また「飛び出す」という意味から、ゲーム業界ではAIが敵キャラクターを操作して戦闘を行うシステムを「POP」と表すこともある。
業界別に変わる?POPが持つさまざまな意味
次に、さまざまな分野で用語として使われるPOPの意味を紹介する。同じ言葉でも、使用シーンによって異なる意味を表す点に注意しよう。
商品の購入を促す「ポイント・オブ・パーチェス」
「Point of Purchase(ポイント・オブ・パーチェス)」は、主に店頭で消費者に対して商品の情報を提供し、購買意欲を促進するような広告や宣伝物を指す言葉。英語の頭文字を取って「ピーオーピー」と読むほか、日本語に訳して「購買時点広告」や「POP広告」と表すこともある。近年ではポスターやポストカード状の商品POPを扱う店舗が徐々に増えたこともあり、消費者の目に留まるようなデザイン性も重視されるようになった。
音楽ジャンルを指す「ポピュラー・ミュージック」
「Popular Music(ポピュラー・ミュージック)」は、ロックやジャズ、クラシック音楽のジャンルに属さない、視聴者の需要を喚起するような大衆性がある楽曲の総称。19世紀後半頃の欧米で誕生した大衆音楽が起源であるとされ、時代の流れとともに音楽を嗜む文化が世界各国へと伝播した。日本で昔から親しまれている演歌や歌謡曲のほか、「J-POP」として認知度が高い「Japanese Pop(ジャパニーズ・ポップ)」もポピュラー・ミュージックに含まれる。
境界ポイントを指す「ポイント・オブ・プレゼンス」
「Point of Presence(ポイント・オブ・プレゼンス)」は、ユーザーが複数の異なるネットワーク、または通信デバイスによる接続を許可し、共有する境界ポイントや拠点を指した呼称。英語を省略して「POP」や「PoP」と表すこともある。含まれるインフラストラクチャーは以下の4種。
1.サーバ
2.マルチプレクサ
3.ネットワークスイッチ
4.無線、または有線LANルーター
大手通信事業者のインターネット・サービス・プロバイダーは、各地に複数のPOPを採用しており、ユーザーは大規模かつスムーズな接続が可能となる。
POPを使った英語表現
最後に、英単語の“pop”を使った英語表現をいくつか紹介する。英語を使用する機会の多い人は覚えておこう。
pop fly
“pop fly”は「飛び出す」という意味を持つ“pop”と、「空中に高く打ち上がった打球」を指す“fly”を組み合わせて表現された野球用語。主に打球が弱く飛距離の短い内野フライ、または外野フライのことを指す。
【例文】
“Thinking it would end in a strikeout, he finally hit a pop fly.”
(三振に終わると思いきや、ようやく内野フライを打った)
“The players were able to catch the pop fly thanks to their excellent teamwork.”
(選手たちの見事な連係プレーにより外野フライを捕れた)
pop over
“pop over”は「人が急に近付いてくる」や「特定の場所などに立ち寄る」といった意味を持つ句動詞。また、ヨークシャー・プディングをもとにアメリカで誕生したクイックブレッドを指して使われることもある。
【例文】
“I found a coffee shop with a nice atmosphere, so I popped over with a friend.”
(雰囲気の良い喫茶店を見つけたので、友人と共に立ち寄った)
“I’ve got some time to spare, so why don’t you pop over to the newly renovated apparel store?”
(時間に余裕があるから、新装開店したアパレルショップに立ち寄ってみないか?)
文/編集部