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ところで「NISA」って何の略?意外と知らない正式名称

2023.09.21

金融庁が推奨するNISA(ニーサ)は、将来に備えた資産形成に有用です。リスクを抑えた少額投資が可能なので、初心者にも人気があります。NISAの正式名称や現行制度の概要、2024年から始まる新制度の変更点など、基礎的な知識を解説します。

NISAは何を略した名前?

そもそもNISAとは、何を略した言葉なのでしょうか。まずは、NISAの正式名称や、大まかな概要を確認しましょう。

由来はイギリスの「ISA(アイサ)

「NISA」の頭に付いた「N」は日本を表しており、正式名称は「Nippon Individual Savings Account」です。イギリスの「Individual Savings AccountISA)」を参考にした制度で、いわば日本版のISAともいえます。

ISAは日本語で「個人貯蓄口座」と訳されますが、イギリス居住者の資産形成を促す制度です。株式型・預金型を選んで該当の金融機関で口座を開設すると、一定額が無期限で非課税となります。イギリスの国民に定着したISAをモデルに誕生したNISAでも、同じように税制の優遇措置が受けられます

※参考:NISAとは?|金融庁

日本では2014年に一般NISAから開始

NISA2014年の1月、いわゆる「一般NISA」として制度がスタートしました。専用口座(NISA口座)内において購入した株式・投資信託などの金融商品の運用益が、毎年一定額まで非課税になるのが特徴です

金融商品を購入してタイミングよく売却した場合、通常では利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。しかし、NISA口座で保有すると一定期間は税金が課税されないため、効率的に資産形成を進められます。

※参考:2014年から少額投資非課税制度(NISA)がスタート|明快けいざいニュース|金融経済ナビ

NISAの種類について

積み立てNISAのイメージ

(出典) pixta.jp

2023年時点におけるNISAのは、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類です。それぞれの対象や非課税で保有できる期間などを確認しましょう。

一般NISA

一般NISAは日本で初めてスタートした少額投資非課税制度で、国内に住む18歳以上(口座を解説する年の1月1日時点)の人ならば、基本的に誰でも利用できます。NISA口座を開設し、そこで購入した金融商品の運用益が最長で5年間、非課税となります。

年間の非課税枠の120万円(2016年以降)を超えない範囲なら、金融商品の数や、購入する回数に制限はありません。また、非課税保有期間を経過した場合は、1回だけ「ロールオーバー」を選択できます。ロールオーバーの手続きをし、該当の金融商品を翌年の非課税枠に移すと、さらに5年間の非課税運用が可能です。なお、非課税での運用期間が無期限化する「新NISA」がスタートする2024年以降は、ロールオーバー自体が廃止されます。従って、これからNISAを始める場合は、ロールオーバーを考える必要はないでしょう。

※参考:一般NISAの概要|金融庁

つみたてNISA

2018年から導入されたつみたてNISAは、一般NISAよりもさらに少額から投資でき、長期にわたる分散投資をサポートします。一般NISAと同じく、日本国内在住の18歳以上の人を対象にしており、1年間に40万円までの投資が非課税になります。

非課税保有期間が20年間にわたるのが特徴で、リスクを抑えたい投資の初心者や、少額でコツコツと資産を運用したい人におすすめです。なお、つみたてNISAは非課税での運用可能期間が長いため、現行の制度では20年間に限られています。

※参考:つみたてNISAの概要|金融庁

ジュニアNISA

ジュニアNISA2016年から開始された制度で、毎年80万円の非課税投資枠と、最長5年間の非課税保有期間が設けられています。対象になるのは、口座を開設する年の1月1日時点で、日本に住んでいる18歳未満の子どもです。

未成年に特化した制度なため、開設者の子どもに加えて、両親・祖父母といった二親等以内の親族も口座を管理できます。ただし、子どもが18歳になるまでは払い出しに制限がある点に注意が必要です。例えば2024年3月31日時点で18歳になる子どもの場合、2022年12月31日までは原則として払い出しができません。

なお、2024年からの新NISAの開始にあたり、2023年12月でジュニアNISAは廃止されます。子どもの将来に向けた資産運用を検討している人は、早めに手続きを済ませましょう。

参考:ジュニアNISAの概要|金融庁

NISA開始に必須な口座開設の流れ

通帳を見る手元

(出典) pixta.jp

NISAを始めるためには、専用口座の開設が必要です。対象の金融機関や必要書類、申請方法など、口座開設に関する情報を紹介します。

金融機関を選択・必要書類を用意

NISA口座を開設する場合、以下のような金融機関からの選択が可能です。

  • 都市銀行
  • 地方銀行(一部)
  • 信託銀行
  • 証券会社
  • 郵便局

ただし、金融機関によって条件や必要な書類、手続きの方法が異なります。例えば必要な書類は、申請用の書類に加え、免許証・健康保険証といった本人確認書類や、マイナンバーが分かる書類などが一般的です。NISA口座の開設を急いでいる人は、希望する金融機関の公式サイトを確認し、あらかじめ必要書類を用意しておくとよいでしょう。

※参考:NISAを始める|金融庁

口座開設を申請・税務署の承認

ほとんどの金融機関がオンラインの手続きに対応しているため、最短だと即日にNISA口座を開設ができます。もちろん金融機関の窓口での開設も可能ですが、オンラインの方が時間・場所を選びません。インターネットの手続きに不安がない人には、オンラインを使った開設がおすすめです。

一般NISAもつみたてNISAも、口座開設の流れに大きな違いはありません。口座開設を申し込むと、本人確認書類の提出を求められるので、指定された方法で書類を提出します。

なお、口座開設が完了する前後に、税務署から二重口座に該当しないかの調査が入ります。ただ、こちらは金融機関側に対応してもらえるので、申請者は特に気にする必要はありません。無事に口座が開設されると金融機関から案内が届き、NISAの非課税投資枠での資産運用が可能になる流れです。

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