日本のエンターテインメント業界を牽引する企業、「東宝」。この社名は、もともとある言葉を略したものであることをご存知だろうか。本記事では、「東宝」の社名の由来のほか、映画や演劇以外の事業内容についても紹介する。
東宝とは
まず、「東宝」の社名の由来を見ていこう。併せて紹介する英語表記もチェックしてほしい。
「東京宝塚」の略
「東宝」は「東京宝塚」の略称で、読み方は「とうほう」。現在は「東宝株式会社」のことを指す。
東宝の前身となる株式会社東京宝塚劇場は、1932年に小林一三氏によって設立された。その後、小林氏は1937年に映画配給会社である「東宝映画」も設立。総合的な映画事業の推進を目指し、東京宝塚劇場と東宝映画を合併し、その社名を現在の「東宝株式会社」と命名した。
東宝株式会社の本社は東京都にあり、事業所としては東京(成城)スタジオ、直営演劇劇場である帝国劇場やシアタークリエ、ロサンゼルスやニューヨークにある事業所が挙げられる。
東宝の英語表記は“TOHO CO., LTD.”
「東宝株式会社」の英語名は“TOHO CO., LTD.”だ。“CO., LTD.”は日本企業が「株式会社」を表す時によく用いられる表記の一つ。会社を意味する“company”、有限を意味する“Limited”の略語で、「有限責任のある会社」を表す。読み方は「カンパニーリミテッド」または「コーリミテッド」だ。
「東宝」の事業内容
ここでは、東宝グループの事業内容を紹介する。エンタメ事業だけでなく、意外な事業内容も要チェックだ。
映画事業
グループ会社と協力して、フィルムの現像やCG・デジタル合成処理などを行い、映画の製作・配給したり、販売したりしている。また、運営する映画館で、自社で製作した映画や配給した映画を上映し、映画興行も担っている。
また、映画事業の一環として、オーディオソフトやビデオソフト、キャラクター商品企画や制作、販売なども行っている。映画・テレビの衣装製作やレンタル、舞台美術・小道具・衣装の製作、音楽製作や著作権の管理、美術製作などの事業にも取り組んでいる。
演劇事業
演劇やイベントの企画・製作及び製作請負、演劇の興行だけでなく、映画やテレビなどへの俳優の斡旋、演劇の団体入場券の斡旋、販売、演劇の制作を管理している。
不動産経営・その他
保有している土地、スタジオやビルなどの不動産の賃貸や管理を行っている。賃貸ビルとしては、有楽町センタービル(有楽町マリオン)や東宝日比谷ビル(日比谷シャンテ)、東京宝塚ビル、東宝日比谷プロムナードビルなどの関東圏のビルがメインだ。また、飲食店や駐車場の経営・管理なども行っている。
「東宝」のグループ会社
最後に、映画の製作・配給、演劇事業や不動産事業など幅広い事業を展開している東宝株式会社のグループ会社をいくつか紹介しよう。
映画事業会社
映画事業会社として、以下のようなグループ会社がある。
1.TOHOスタジオ株式会社:映画製作・東宝スタジオの運営
2.東宝東和株式会社:洋画の輸入、配給
3.株式会社東京現蔵所:CGデジタル合成、TVアニメ・CS放送編集、フィルムの現像
4.TOHOシネマズ株式会社:映画館経営
5.関西共栄興行株式会社:映画館経営
6.東宝ミュージック株式会社:映画・アニメーションなどの音楽制作や音楽原盤・著作権管理
7.株式会社東宝映像美術:映画・TV・CMなどの美術製作、イベントの企画
8.東宝舞台株式会社:演劇・TVなどの舞台美術・小道具、衣装の制作
9.株式会社東宝コスチューム:映画・TV・イベントなどの衣装の製作・レンタル
10.株式会社TOHOanimationSTUDIO:アニメーション作品の制作
演劇・その他の事業会社
以下の8会社が演劇事業や不動産経営、その他の事業を行っているグループ会社だ。
1.東宝芸能株式会社:映画・演劇・TVなどへの俳優の斡旋、演劇やイベントの企画・製作
2.株式会社東宝エージェンシー:演劇公演の法人や学校などへの団体入場券の斡旋・販売
3.国際放映株式会社:スタジオのレンタル、TV番組の企画・制作
4.スバル興行株式会社:道路の維持管理、飲食店経営、不動産賃貸
5.東宝ファシリティーズ株式会社:ビルの管理・清掃・警備・建設、施設の運営
6.東宝ビル管理株式会社:ビルの管理・清掃・警備
7.東宝共榮企業株式会社 :スポーツパークの経営
8.TOHOリテール株式会社:劇場内売店、飲食店の経営
※データは2023年8月上旬時点のもの。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/編集部