冷却技術と冷凍食品の衛生管理、調理性を生活者視点で検証
自然災害の多い日本だが、近年では、異常気象による自然災害は増加傾向にあると言われている。
そんな災害時では自身や家族の安全が最優先、次に大切なのは水と食事の確保だ。パナソニックが実施した調査では(※4)、「災害時に自宅が停電になった場合を想定して、困る状況」の1位は、「冷蔵庫が使えず、食品が傷む」だった。
ちなみに冷凍食品や加工食品の需要は年々増加しており(※5)、今後も堅調に推移していくと考えられる。
「災害時にご自宅が停電になった場合、困る状況」に関する調査 2021年11月30日~2021年12月7日 N=442 パナソニック調べ
味の素冷凍食品(株)調べ
そこで同社と味の素冷凍食品は、冷凍食品の保存に関する共同検証を実施。一定の条件下(※2)で冷凍室に保存している冷凍食品(※3)は、停電後も24時間はおいしく食べられることを確認した。
※1:保存状況や食品の種類・状態や量、保存する前の食品の状況によって、効果が異なります
※2:外気温25℃/32℃
※3:対象商品:味の素冷凍食品(株)「ギョーザ」
※4:「災害時にご自宅が停電になった場合、困る状況」に関する調査 2021年11月30日~2021年12月7日 N=442 当社調べ
※5:味の素冷凍食品(株)調べ
共同検証の経緯
日本の停電の大半は5時間以内に復旧していることが多く(※6)、冷蔵庫は庫内が十分に冷えている状態で停電になった場合、ドアを開けなければ約2~3時間は庫内の温度を保つことができる(※7)。
停電時の冷凍食品の安全性に加え、災害時等の不安な場面でもおいしい食事ができる安心感を提供したいというパナソニックと味の素冷凍食品両社の思いから、それぞれの強みを活かし合うかたちで共同検証を実施した。
※6:「過去5年以内に経験された停電時間」に関する調査 2020年11月6日~2020年11月9日 N=500 パナソニック調べ
※7:冷えを保てる時間は目安です。設置場所や季節、天候、食品の保存状況などにより異なります。
左からパナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 冷蔵庫技術総括 開発戦略部 小畑氏、味の素冷凍食品株式会社 研究・開発センター 技術開発部 基盤技術グループ 道岡氏、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 冷蔵庫技術総括 開発戦略部 丹治氏、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 冷蔵庫技術総括 開発戦略部 松山氏
共同検証の概要・結果
生活者の実態を想定した検証を行うため、パナソニック草津拠点にて、冷凍冷蔵庫にて複数の条件を設定。通電停止後の冷凍食品の衛生状態と品質の変化及び調理性を検証した。
冷凍室には、冷凍食品が多く入っている方が保冷機能を発揮し、庫内温度の上昇を抑制することができる。また、一般家庭の冷凍室収納率は80%程度が最も多い(※12)と言われている。
結果、味の素冷凍食品の冷凍「ギョーザ」は停電後24時間でも衛生面に大きな影響はなく、おいしさの特徴である「羽根の素」も有効に機能し調理することができ、おいしく食べられることが確認できた(※13)。
※12:パナソニック調べ
※13:停電時は電気・ガス・水道の生活インフラが止まることが想定されるため、調理時にはカセットコンロなどの用意が必要です。
実験概要
・検証内容:家庭用冷凍冷蔵庫の通電停止後の味の素冷凍食品(株)冷凍「ギョーザ」の品質変化
・実施期間:2022年12月~2023年3月
・対象機種:家庭用冷凍冷蔵庫6ドアタイプ
・対象商品:味の素冷凍食品「ギョーザ」
実験結果
味の素冷凍食品の「ギョーザ」は、停電が発生した際の夏場の想定温度下でも1日程度はおいしく安心して食べることができる状態(※14)であることが確認できた。
多くの人が購入している味の素冷凍食品の「ギョーザ」を常にローリングストック(※8)しておけば、もしもの時にも安心して無駄なく活用できるはずだ。
冷凍食品は-18℃以下「要冷凍」を順守することが大前提だが、もしもの時には冷凍「ギョーザ」も防災食として役立つ事が確認された。
※8:いつも利用している食品や日用品を少し多めにストックし、使用した分を補充するという備蓄方法。
※14:家庭環境により差が出ることが考えられますので、調理の際は匂いなどを確認し、異臭・違和感を感じるようであれば使用は控えてください。
冷蔵庫の断熱性能に加えて、IoT連携でかしこく「災害への備え」
冷蔵庫内の冷気を守る断熱性の向上に加えて、当社2023年発売の新商品では、冷蔵庫専用アプリ「Cool Pantry」(※15)と連携すれば省エネはもちろん、災害にも備えることができる。
「停電そなえモード」を活用することで、停電時の保冷時間を約2倍にすることが可能だ(※16)。
断熱技術
高性能真空断熱材「U-Vacua」が、外部から熱が伝わるのを防いで冷気を守る。
停電そなえモード
IoT連携により停電時の保冷を長続きさせる、業界初(※17)の「停電そなえモード」。アプリで気象警報(※18)を受信すると自動で予冷運転を開始して(※19)、停電時の保冷時間を約2倍にすることで(※16)食品廃棄ロスを減らす。
※15:スマートフォンの対応OSについて詳細はホームページをご覧ください。「Cool Pantry」アプリはタブレット端末には対応していません。
※16:パナソニック調べ。食品の状態や量、周囲温度や扉開閉の状況によって、効果が異なります。パナソニック環境試験室において、以下の当社試験条件にて測定。
条件:冷凍室「中」・冷蔵室「中」・切替室「パーシャル中」設定。冷凍室に模擬負荷20.5 kgを投入、周囲温度25℃、扉開閉無し。
停電時、2023年新商品NR-F609WPX(停電そなえモードON)において、模擬負荷の温度を-18℃以下に保てる時間が5.9時間。
※17:IoT機能により、気象情報と連携した予冷運転で停電に備える。国内家庭用冷蔵庫において。2023年2月17日発売。
※18:暴風/暴風雪警報のみ。
※19:自動化設定にするとスマホに通知なしで開始。事前の設定が必要です。
従来機種もアプリのアップデートにより「停電そなえモード」対応
IoT連携の新機能は、2023年発売の新商品に加え、2022年発売の従来機種にも対応。新搭載の「AIクーリング」と「停電そなえモード」は、冷蔵庫専用アプリ「Cool Pantry」(※15)の2023年6月29日からのアップデートにより、順次2022年発売の従来機種にも対応する。
対象機種:8WPXタイプ、8HPXタイプ、8MEXタイプ、8PXタイプ
「はやうま冷凍」搭載冷凍冷蔵庫 NR-F659WPX
https://panasonic.jp/reizo/products/NR-F659WPX.html
関連情報
https://panasonic.jp/reizo/
構成/清水眞希