リクルートの外食市場に関する調査・研究機関『ホットペッパーグルメ外食総研』は、首都圏・関西圏・東海圏の男女約1万人を対象とする2023年6月度の「外食市場調査」を実施。先日、結果が発表されたので、その概要をお伝えする。
外食市場規模の2019年同月比(コロナ禍前比)は79.6%で前月(84.0%)から後退
2023年6月の外食市場規模は、3圏域合計で2659億円。前年同月比(以下、前年比)は+368億円と19か月連続して前年実績を上回った。市場規模の2019年同月比(コロナ禍前比、以下19年比)は79.6%で、前月の同84.0%からはやや後退している。
外食単価は20か月連続で前年超えの2818円(前年比107.8%)。6月としては過去最高額
外食単価は2818円で2013年の調査開始以来、6月としては過去最高額を記録。20か月連続で前年を上回り、19年比では109.8%と高い伸び率を示した。
一方、外食実施率の19年比(87.3%)、外食頻度の19年比(86.3%)ともに前月よりマイナス幅が拡大しており、延べ外食回数の19年比(72.5%)が3か月ぶりのマイナス幅拡大につながった。
市場規模の食事主体業態・計は前年比111.5%(19年比86.4%)、飲酒主体業態・計は同130.9%(同69.9%)、軽食主体業態・計は同116.1%(同69.4%)でいずれも前年比は拡大傾向だが、19年比では、マイナス幅が大きくなっている。
主要16業態中では14業態で市場規模が前年を上回り、11業態では延べ外食回数・単価ともに前年を上回った。19年比では「アジアン料理店」(110.2%)、「中華料理店」(102.5%)がコロナ禍前の市場規模を上回った。
3圏域計(首都圏・関西圏・東海圏)の概況
・2023年6月の外食(※1)実施率は 66.2% (前月比増減 -1.3pt、前年比増減 +3.9pt)
・2023年6月の外食頻度(※2)は 3.61回/月 (前月比増減 -0.21回、前年比増減 +0.08回)
・ 2023年6月の外食単価は 2,818円 (前月比増減 +156円、前年比増減 +205円)
・2023年6月の外食市場規模(※3)は 2659億円 (前月比増減 -60億円、前年比増減 +368億円)
※1 外食:夕方以降の食事について、店で食事した場合を対象。消費地の範囲として、各圏域の居住者が各圏域の対象都府県内で行った外 食を対象としており、圏域外で行った外食は含んでいない。また、夕方以降、1 日 2 回までの外食を含む
※2 外食頻度:外食実施者の 1 カ月あたりの平均外食回数
※3 外食市場規模:各圏域の当該年齢人口(2022 年 4 月から 2023 年 3 月まで R2 年国勢調査人口、2023 年 4 月から R3 年人口推計)×外食 実施率×外食頻度×外食単価で算出
(参考)基準人口(前年度比)は、3 圏域・計:-0.6%、首都圏:-0.5%、関西圏:-0.9%、東海圏:-0.8%
圏域別
・外食実施率は、首都圏:65.6%(前年比増減 +4.8pt)、関西圏:66.8%(同 +2.5pt)、東海圏:67.2%(同 +2.3pt)
・外食頻度は、首都圏:3.74回/月(前年比増減 +0.05回)、関西圏:3.59回/月(同 +0.19回)、東海圏:3.12回/月(同 -0.08回)
・外食単価は、首都圏:2,980円(前年比増減 +192円)、関西圏:2,700円(同 +207円)、東海圏:2,332円(同 +216円)
・外食市場規模は、首都圏:1676億円(前年比増減 +236億円)、関西圏:691億円(同 +105億円)、東海圏:292億円(同 +28億円)
業態別(3圏域計)
・業態別の市場規模は、「居酒屋」(前年比増減 +132億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同 +43億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」(同 +35億円)等16業態中14業態で前年を上回った。
・「居酒屋」(延べ回数 +342万回、単価 +30円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(延べ回数 +70 万回、単価 +231円)等は延べ回数・単価ともに前年比で増加した。
調査概要(本調査)
・調査目的/対象月間の夕方意向の外食・中食内容を知るために実施。
・調査時期/2023年6月30日(金)~7月10日(月)
・配信数:1万2559件
・回収数/9654件(回収率76.9%)
・有効回答数/9561件
・調査機関/アール・ピー・アイ
関連情報
https://www.hotpepper.jp/ggs/
構成/清水眞希