ワコムのペンタブレット(いわゆる板タブ)。これは決してイラストレーターだけに向けた製品ではない。
むしろ、自宅やオフィスのPCに接続しっぱなしであるべき製品だと筆者は考えている。
板タブがあることで「PCの画面に書く」という行為が可能になるからだ。これがあるのとないのとでは、「仕事の多様性」に絶大な差異が生じてしまう。
いざとなればPowerPointのスライドに手書きして、独自性のある資料を作ることもできる。或いは、「メモの電子化」という目的で板タブを使う判断も良いだろう。
そして筆者自身、板タブには大いに助けられている。
21世紀の「手書き派」
PCが一般家庭に普及した現代、「書く」という行為からすっかり遠ざかっている人は少なくないだろう。
が、それでも一定数の「手書き派」は存在する。
確かに、手書きは「速記性」というものがある。何かのアイディアを即座に書き留める際、スマホを取り出して文字を打ち込むよりもペンを取ってそれを紙の上に滑らせるほうが遥かに早い。ただ、手書き派に言わせれば「手書きの利点はそれだけではない」そうだ。
つまり、より「直感的な記録」をつけることができるというわけだ。
絵心のある人は、メモにも何かしらのイラストを描き込んだりする。これはふざけているわけではなく、そうしたほうが自分にとって理解できる内容のメモになるからだ。手書き派がなぜ21世紀も20年以上経過した現代に紙のメモとペンを携帯するかというと、つまるところ「己の創造性を完全に発揮するため」だ。
しかし、そのメモないしノートをネット共有する段になったら?
安い板タブで十分!
もしもオンラインで多人数共有する目的のメモを作るとしたら、普段遣いのPCに板タブをつなぐという方法が一番手っ取り早いのではないか。
イラストレーター向けタブレットには板タブの他に「液タブ」と呼ばれるものもある。液タブは画面付きのタブレットで、PCと接続することなく利用できる。が、もちろん板タブよりも遥かに高価だ。
それに液タブは、まさにイラストレーター用のガジェット。それを職業としていない人がわざわざ購入する必要性は、あまりない。
だからこその板タブである。
筆者が利用している『Intuos Small』の価格は9,350円。最安値モデルではないが、それでもワコムの板タブの中では安いほうだ。なお、筆者自身はこれを家電量販店のセールで購入した。