ブレーキシステムの設計・開発・製造において世界的なトップメーカーであるブレンボは、インテリジェントブレーキシステムSENSIFYを日本国内向けに発表した。このSENSIFYは世界に知られるブレンボのブレーキ部品と人工知能、先進ソフトウェア、センサーを統合し、タイヤごとの制御を可能にしたブレーキシステムとなる。ブレンボ製品の中でも最先端のブレーキシステムで、走りの快適性と安全性の両面からまったく新しい体験を提供するとしている。
SENSIFYは、新世代の自動車の特徴に合わせて従来のブレーキシステムを単に改良したものではなく、未来の自動車を念頭に、一から開発したという点で新基準を打ち立てるものとなる。だからこそ、同システムによって車両との統合が単純化し、高級スポーツカーからシティカー、ロボットタクシーやその他最新の商用車に至るまで、自動車メーカーにとっては柔軟な開発が、設計者にとってはこれまでにない自由な発想が可能となる。
このSENSIFYを表現するならば、ブレーキシステムはもはやパーツの集合体ではなく、AIとソフトウェアが能動的役割を果たすひとつの生態系となる。同システムは、ペダルレスポンスのカスタマイズ、安定性と制御性の向上、回生ブレーキ機能の向上、温室効果ガス排出量の削減など、従来のブレーキシステムと比較してさまざまな利点がある。
また、SENSIFYはドライバーの好み、車両ダイナミクス、路面コンディションに応じて、制動力をタイヤごとに制御できるようになっているとしている。
このSENSIFYは、2025年の世界発売が予定されている。
SENSIFYとは
SENSIFYという名称は、人間が外部信号や刺激を感じ取る能力であるSENSE(感覚)と、製品と車両をシンプルに調和させる意味のSIMPLIFY(単純化)を組み合わせた造語で、自動車デザインの可能性を広げるものです。
ブレンボCEO ダニエレ・スキラッチ氏のコメント
「SENSIFYは、ブレンボのビジョンである『Turning Energy into Inspiration』を存分に体現した先駆的技術であるとともに、現在の自動車業界に求められる持続可能なデータ駆動型先進ソリューションを提供するという意味でも大きな前進です。私たちは日本市場に大きな可能性があると認識し、今後、日本の主要自動車メーカーとともに、SENSIFYだけが提供できる快適な走りと最大限の安全性を追求していきたいと考えています」
関連情報:https://www.brembo.com/jp/
構成/土屋嘉久