『X』という名称になったTwitterだが、この記事を手掛けている8月2日の時点ではまだ「Twitter」と書いたほうがいいかもしれない。そのほうが通りがいいからだ。
そんなTwitterは、誰の目から見ても明らかな仕様変更が進められている。この記事で取り上げるのは「ダイレクトメッセージ(DM)の送信数制限」である。
この制限自体は今までにもあったが、7月21日から未認証アカウントが送信できるDMは1日20件になった。
この仕様変更により、仕事そのものに影響が出てしまうという人も存在するようだ。
DM送信制限とは
日本人は「Twitter好き」として知られている。
Facebookユーザー数よりTwitterユーザー数のほうが多く、ニュースのチェックからDMを使った業務報告、クライアントとのやり取りまでTwitterでやりたがるのが我々日本人だ。
実は筆者も@DIMEではないが、とあるメディアの編集部員とTwitterで連絡している。
イーロン・マスクは、もちろんそれを知っている。だからこそ日本のユーザーに対して驚愕したのだ。
が、そんな日本人の「Twitter活用法」を頭の片隅に入れた上で、未認証ユーザーのDM送信制限という措置を実施した。
We’ll soon be implementing some changes in our effort to reduce spam in Direct Messages. Unverified accounts will have daily limits on the number of DMs they can send. Subscribe today to send more messages: https://t.co/0CI4NTRw75
— Support (@Support) July 21, 2023
これはBlueに入会すれば、つまりTwitterに課金すれば解除される措置でもある。ただ、現実問題として長年のTwitterユーザー全員がBlueに加入しているわけではない。
むしろ「今まで無料で利用できたのに、なぜ今更課金しなくてはならないのか?」と首を捻っている人も少なくないはず。
その一方で、「単発の仕事のやり取りをTwitterでしている」という個人事業主もいる。
ここで言う「単発の仕事」とは、イラストレーターのそれが分かりやすい。イラストの手数料はその人によってまちまちだが、この分野ではよほどの知名度がない限りまとまった仕事は任せてもらえない。
つまり、基本的には「1枚いくら」の仕事を同時進行でいくつも抱えることになるわけだ。しかもその多くはC2C、つまりクライアントも個人である。
そうした仕事の連絡を、TwitterのDMのみで済ませるイラストレーターは珍しくない。
これはいわゆる「身バレ防止」の側面が強く、決済手段もPayPay送金やAmazonギフトカード(電子コード)というように匿名性の高いものを利用していることが多い。そして、「Twitterしか連絡手段がない」ということもよくある。
故に、Twitterのアカウントが凍結されてクライアントとの連絡が一切取れなくなってしまった、ということも……。