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【仕事の裏側】「自分の人生を自分で選択するきっかけを若者に届けたい」ハッシャダイソーシャル三浦宗一郎さん

2023.08.06

気になる”あの仕事”に就く人に、仕事の裏側について聞く連載企画。第13回は、全国の高校・少年院・児童養護施設等でキャリア教育を行う「一般社団法人HASSYADAI social(ハッシャダイソーシャル)」代表理事の三浦宗一郎さん。三浦さんの目指す世界、活動の原動力、そしてこれからの挑戦とは。

「自分の人生を自分で選択する」後押しをする活動

「ハッシャダイソーシャルは、『生まれ育った環境にかかわらず、自分の人生を自分で選択できる社会』を目指し、日々活動しています。具体的には、まず全国の高校や少年院、児童養護施設での講演活動。これまでのべ450校、約50,000人に向けて取り組みを実施させていただきました。他にはトヨタ自動車株式会社との共同事業として取り組んでいる若者の成長・自己実現プログラム『project:ZENKAI』や、若者を詐欺や悪徳商法の被害から守るための書籍「騙されない為の教科書」の配布など。それぞれの活動を通して、主に10代の若者が、自分の人生を自分で選択できるよう後押しをしています。」

一般社団法人ハッシャダイソーシャルは、「ヤンキーインターン」事業を運営する株式会社ハッシャダイから、2020年にスピンオフした団体。活動は主に企業の協賛と個人の寄付から成り立っており、教育機関での取り組みは無償で提供している。ヤンキーインターンとは、全国の中卒・高卒の若者たちに対するキャリア支援事業であり、三浦さんはこれまで500人以上の若者の支援に携わってきた。

「ヤンキーインターンに参加しているのは18歳〜24歳の若者たち。彼らと関わる中で、次第に、もっと若い年齢、社会に出る前の年代の若者たちにこそ、人生の選択肢を広げる手助けが必要なのではと思うようになりました。そこで2019年から高校生向けの事業がスタート。2020年に一般社団法人ハッシャダイソーシャルが誕生しました。」

「社会から必要とされていないと思った」学歴格差の解消を目指して

原点にあるのは、三浦さん自身の過去。決して裕福とは言えない家庭で育った三浦さんは、中学卒業後、学校に通いながら16歳にして工場で働きはじめた。最終学歴は高卒。その後、工場から他の職場に転職しようとしても、応募条件はほとんどが大卒以上で、学歴の壁にぶち当たった。

【ハッシャダイ入社時】

「未経験歓迎の求人でも、高卒では資格を満たせない。社会から必要とされていないように感じて、悔しかったです。同時にもったいなさも感じました。学歴がないだけで、やる気も体力も、仕事の経験値もある若者が、社会から無視されてしまう。そんな社会の壁に立ち向かいたいと、株式会社ハッシャダイに入社しました。」

「キャリア教育」をしているという意識はあまりない。もっと身近な、近所の兄ちゃん姉ちゃんのような存在として、若者に寄り添いたいと思っている。だから講演会で話すのは、等身大の経験や、失敗談など。講演会が終わると、参加者からはリアルな悩みを寄せられたり、相談を受けることも多々あるという。

新成人を祝い励ます「18歳の成人式」を開催

高校生たちと話す中で生まれたのが、今年3月に開催された「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式」だ。2022年4月に民法上の成人年齢が引き下げられ、18歳から「成人」と呼ばれることとなった。しかし従来の「成人式」は「二十歳の集い」と名を改められ、成人たちはほとんどその自覚がないままに、法律上の「成人」となってしまう。当事者である18歳の若者たちからは、戸惑いの声が多く上がった。

「18歳は多くの人が人生の選択の岐路に立つ、大切なタイミング。それなのに大人になる自覚もないままに、社会からは責任だけを負わされる。とある18歳からは『成人になり損』とさえ言われたことがあります。そもそも成人の日とは、おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日。成人年齢の引き下げをきっかけに、18歳の新成人を社会が祝い、励ます日を改めて作りたい。そんな思いで18歳の成人式を企画しました。」

当日は全国47都道府県から、オンライン参加者を含めて約800人が集結した。アーティストによるライブやゲストによるトークイベントに加え、18歳の参加者がそれぞれの胸の内をシェアする「新成年の主張」を実施。18歳が抱える等身大の悩み、苦しみ、葛藤、そして希望が吐露された。

「イベント後、参加者たちからは長文の感想がいくつもいくつも寄せられました。参加してよかった、もっと頑張ろうと思えた、といったコメントの中でも、特に嬉しかったのは、『次は自分が届ける側になりたい』という声。僕はいつも、自分が今まで人からもらってきたものを“恩送り”するような気持ちで活動しています。その思いが今回の参加者にも繋がり、未来へと続いていく循環の一歩目が生まれた、そう思いました。」

原動力は楽しむ気持ち。未来への種まきをしながらこれからも歩み続ける

三浦さんが日々活動する中で大事にしているのは「深刻にならない」こと。

「社会課題に取り組んでいると、大変な瞬間はもちろんあります。だけどどこかで、何かを成し遂げるためには自分の幸せを犠牲にしたり、深刻な思いをしないといけないような気もしてしまう。僕の原動力はもっと、こんなことやったら楽しいんじゃないか、というワクワクする気持ち。初めての挑戦は大変なこともあるけど、それ以上に自分がワクワクしていればどんな困難も楽しめるので、楽しいという気持ちは一番大事にしています。」

人との繋がりを大事にする三浦さんの喜びは、講演で全国の高校生たちと出会うこと。

「講演は一期一会の連続。だけど中にはその後、僕らのプロジェクトやイベントに参加してくれたり、ハッシャダイソーシャルのインターンに来てくれる方がいます。活動を始めて5年経ち、高校生から社会人になった方もたくさんいます。彼らの活躍する姿を見たり、あの時出会えてよかったと言われることは、僕の何よりの喜びです。」

今後もハッシャダイソーシャルではいくつもの企画やイベントが計画されている。さらに三浦さん個人にも今年、新たな挑戦が待ち受けている。

「今年、大学に進学します。キャリア教育に限らず、自分の知らないこと、知りたいと思うことをどんどん学びたい。学部に入るので、一つの専門性を身につけるというより幅広いテーマで学びを深めたいです。

これまで活動を続けてきて、社会を簡単に変えられるような魔法はないことも、知っています。だからといって絶望していても仕方がない。目の前の人やことに一つ一つ、向き合うしかないと思っています。今後も誰もが自分の人生を選択できる社会を目指して、活動を続けていきます。」

【取材協力】

一般社団法人HASSYADAI social
共同代表理事 三浦宗一郎氏
https://social.hassyadai.com/

取材・文 / Kikka

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