2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を皮切りに、近年のヒット作は興行収入100億円を突破することが増えている。遠出を控えて近場で注目のコンテンツを楽しみたいという需要に加え、IMAXやドルビーアトモス、MX4Dといった最新の映像・音響システムにより、映像作品のクオリティが向上していることもその一因だろう。
とはいえ、行きつけの映画館で毎度同じように鑑賞しているとマンネリ化してくるし、映画館が混み合っていると上映前後に休める場所がなく、無駄に疲れてしまうといったことも…。そこで今回は、特別な映画体験ができる「プレミアシート」を提供する劇場を厳選してご紹介。上映前後にくつろげるラウンジの情報もあわせてチェックしてみてほしい。
ユナイテッド・シネマの「プレミア・ペアシート」「プレミアシート」は通常料金に“ちょい足し”でいける!
ユナイテッド・シネマ豊洲の「プレミア・ペアシート」は、左右幅170cm(一般席62cm)の深く腰掛けられるゆったりとしたつくり。同シートは4DX®︎スクリーンを除く全スクリーン後方に配置されており、目線がスクリーン下にちょうど揃う快適な環境で映画を観ることができる。
さらに、「プレミア・ペアシート」購入者には、カフェ&バーラウンジ“Breathe”で使えるドリンク券を1名につき1枚プレゼント。“Breathe”2階には「プレミア・ペアシート」購入者専用のプレミアム・ラウンジを擁し、モダンなインテリアの心地よい空間で、東京湾の夕日や夜景を望みながらブレイクできる。利用するタイミングに制限はないため、映画鑑賞前にラウンジに立ち寄ってくつろいでもよし、映画の余韻に浸りながら感想を言い合うもよしだ。※営業時間前とラストオーダー後は利用不可
料金は、平日は2名で5500円、土日祝日は2名で6500円(3D作品は+1000円)。大人の通常料金が1名1900円(※ユナイテッド・シネマ価格)ということは、平日は1名あたり850円、土日祝日は1350円通常料金にプラスするだけ。この価格で贅沢な映画環境にドリンクまで付いてくるというのは、かなりお得だろう。また、ユナイテッド・シネマ会員カード「CLUB-SPICE」の会員が「プレミア・ペアシート」を購入した場合、1名につき2シネマポイントが加算される(通常一般シート:1シネマポイント)。
同系列のユナイテッド・シネマ テラスモール松戸では、1名用の「プレミアシート」をドリンク券付き2500円で販売しており、ソフトドリンクだけでなくアルコールと交換OKなのも嬉しいポイントだ。通常の座席よりもクッション性の高い柔らかな質感のソファタイプのシートは、両サイドにドリンクホルダー付きの肘掛けを完備しているため、両腕をラクにして映画を楽しめる。さらに、「CLUB-SPICE」会員は特別価格の2000円で鑑賞可能となっている(※IMAX、ScreenX鑑賞の際は差額が必要)。
ユナイテッド・シネマのプレミアシートは、思わずリピートしたくなる“プチ贅沢”と言えるだろう。
ユナイテッド・シネマ豊洲
ユナイテッド・シネマ テラスモール松戸
109シネマズプレミアム新宿は「全席プレミアムシート」が売り!
今年4月、新宿ミラノ座のDNAを受け継ぐ場所に東急歌舞伎町タワーがオープンした。9-10Fにある109シネマズプレミアム新宿は、「全席プレミアムシート」を謳っており、座席の大きさは一般的なシネマコンプレックスの最大約2.3倍。約2000席入る広さの劇場内に752席と、贅沢に空間を使用している。プレミアムシートは、「CLASS A」と「CLASS S」の2種類が存在する。
プレミアムシート「CLASS A」 料金:4500円(シネマポイント会員は4000円)
座り心地の良さを追求した「CLASS A」は、リクライニング機能とサイドテーブルを備え、鑑賞中のノイズを極力排するようカスタマイズされたプレミアムシート。傘立てや荷物置きも完備した快適な鑑賞環境で、ゆったりくつろぎながら映画に没頭できる。
9-10Fの各フロアには、映画鑑賞前に自由にくつろげるラウンジがあり、新宿・歌舞伎町の街の色を感じさせるような印象的なアイテムやアート作品がちりばめられている。こちらは上映時間の60分前より入場可能となっている。
「WELCOME CONCESSION」では、塩・キャラメルの味ごとに豆の種類を変えたこだわりのポップコーンや、バラエティ豊かなソフトドリンクを提供。チケットのQRコードを提示するだけで利用でき、注文から受取りまでがスムーズだ。ウェルカムコンセッションの代金はチケットに含まれるため、鑑賞前に自分のタイミングで、好きなだけ味わえる。※鑑賞作品の映画本編開始時刻までは、おかわり自由
劇場併設の「THE BAR」では、ジャパニーズウィスキー、季節によって変わるクラフトビール、素材にこだわったフードなどの多彩なラインナップを用意している。そのほか、スーベニアショップ「POST CREDIT」では、映画の公式グッズだけではなく、コラボ商品や限定商品、新宿・歌舞伎町のお土産商品なども販売しており、観光客にとっても心踊る空間となっている。
プレミアムシート「CLASS S」 料金:6500円(シネマポイント会員は6000円)
もうひとつの「CLASS S」は、全シアターの中央列に位置し、電動リクライニング機能やUSB充電装置付サイドテーブルを完備したプライベート感あるプレミアムシートだ。「CLASS A」よりもシートの幅が広く、座席を区切るパーテーションも頭の高さまであるため、周囲の視線を気にすることなく映画に没頭できることだろう。
「CLASS S」利用者は、通常のラウンジに加え、鑑賞後にプレミアムラウンジ「OVERTURE」も利用できる。新宿の街を展望できるくつろぎの空間で、ドリンクなどを楽しみながら鑑賞後の余韻に浸ったり、談笑を交わす場所となっている。※「OVERTURE」利用者は鑑賞後のウェルカムドリンクが1杯サービス
坂本龍一氏が劇場の音響システム「SAION -SR EDITION-」を監修
109シネマズプレミアム新宿の全シアターには、世界的音楽家である故・坂本龍一氏監修の音響システム「SAION -SR EDITION-」を導入し、極限までリアルな音を追求している。劇場によってはプレミアムシートに対応する上映作品が限られることもあるが、109シネマズプレミアム新宿は文字通り「全席がプレミアムシート」のため、観たい上映作品を我慢する必要はなし。劇場内のどのスクリーンでも、最高の音響と最高の座席が約束されているのが大きな魅力だ。
新宿ピカデリーの「プラチナシート」「プラチナルーム」
新宿ピカデリーは、10ものスクリーンを擁する都心の大型シネマコンプレックス。座席数580席と劇場内で最大規模を誇るスクリーン1に、「プラチナシート」と「プラチナルーム」を備えている。
ペアシート(6組12席)。フットレストとサイドテーブルも備えている。
新宿ピカデリーの「プラチナシート」料金は1名5000円で、シングルシートとペアシートから選べる。これらの座席はスクリーン1のバルコニー中央に位置し、スクリーンが目線の高さに来るように設計されたベストポジションで迫力の映像を体験できる。
「Comfort×Wrapped」をコンセプトにカッシーナ・イクスシーが松竹マルチプレックスシアターズのためにデザイン・製作したオリジナルシートは、臨場感を感じながら包まれたようなプライベート空間を演出している。
「プラチナシート」利用者は、上映開始の1時間前からラウンジを利用できる。提供されるウェルカムドリンクは、シャンパンや季節のお茶など、特別感のあるラインナップとなっている。新宿といえば、周辺に百貨店や家電量販店が立ち並び、「買い物ついでに映画でも観ようか」といった流れになることもあるだろう。落ち着きのあるラウンジでドリンクをいただいてしっかり英気を養えば、映画も絶好のコンディションで楽しめるというものだ。
そして注目すべきは、現在知る限り日本でもっとも高価な座席「プラチナルーム」だろう。「プラチナルーム」はプライベートルーム型のバルコニー席で、イタリア・カッシーナのソファの最高傑作のひとつ「マラルンガ」と専用のサラウンドスピーカーを設置。フットレストも備えており、ふかふかのソファに身を預けつつ、脚を伸ばして極限までリラックスした姿勢で映画を鑑賞できる。
プラチナルームは計2室あり、それぞれ専用のウェイティングルームが設けられている。ここではウェルカムドリンクに加え、ジョエルロブションの焼き菓子といった高級スイーツも提供。上映前に2人きりのプライベート空間で過ごすことができるため、記念日などの特別な日にも最適だ。
※「プラチナシート」と「プラチナルーム」は小学生以上利用可能です。
趣向を凝らしたプレミアシートは、映像作品に対する満足度を上げてくれるだけでなく、ラウンジを利用したり、特別なサービスを受けることによって、新鮮な発見を与えてくれるはず。たまのご褒美や気分転換に、プレミアシートを体験してみてはいかがだろうか。
文/清談社・松嶋 千春