和食器・洋食器という垣根をなくす
2021年に誕生したダイソーの新業態「スタンダードプロダクツ(Standard Products)」。
ここでは数千種に及ぶ生活雑貨を取り揃えているが、なかでも力を入れているのが食器。「和食器・洋食器という垣根をなくすことが理想」だそうで、汎用的に使える便利なアイテムが豊富にある。
今回は、その中からセレクトした食器を紹介しよう。
先に総括してみると、どの食器も落ち着いたトーンのカラーで統一されているのが目につく。白、黒、グレー、ブラウン、薄い青…いずれも光沢は抑え、どんなインテリアにも溶け込み、かつ料理が映える色合い・風合いが特徴だ。
また、サイズの規格が統一されているが、これは「あとで買い足しても統一感が出る」ようにとの配慮から。その規格とは、昔からある尺貫法の単位「寸」。これは、うつわのみならず、カトラリーや調理器具についてもそうされている。そして、皿については、高台がもうけられていない。これは、サイズ違いの皿を積み重ねた際、重なり方がキレイに整えるための工夫だそうだ。
料理とよく調和して映える「カコミ」
では、個別の銘柄で見ていこう。まず、「カコミ」という一群の製品がある。これは、角皿、茶碗、小鉢のシリーズで、110円~770円の価格帯。積み重ねて活用することが念頭に置かれているが、それにこだわりすぎる必要はない。
実際に盛り付けてみると実感できるが、料理と食器がそれぞれムダに主張せず、しっくりと調和しながら、よりおいしく見せてくれる。当初は小さいと思ったサイズ感も、こうしてみるとよくフィットする。食器の色はおおむね寒色系だが、陶器が持つしっとりした風合いのおかげで、冷たくなりすぎず、手に持って滑ることもない。
どんなつまみも合う「PON」という名の酒器
もう1つのラインナップは酒器の「PON」。磁器の徳利と杯(おちょこ)がある。
つくりは極めてオーソドックスながら、長く使って飽きがこないデザイン。つまみも、同じ「スタンダードプロダクツ」のうつわを使うことで、しっくりする。
以上、「スタンダードプロダクツ」の食器の一部を取り上げたが、ジャンルを問わず、どんな料理も見栄え良くなる点が共通していて、かつ使いやすい。大量生産の「安かろう、悪かろう」ではなく、愛着のもてる食器なら、これらを揃えるのがいいだろう。
今回ピックアップした食器のスペックを紹介
用途や家族の人数などに合わせて、マルチに組み合わせができる「スタンダードプロダクツ」の使いやすい食器。シンプルすぎて面白味がないほどではなく、かといって料理やインテリアのテイストの邪魔をするほどの装飾感でもない。その程よくおしゃれ感を漂わせた落としどころが、万人におすすめできるポイントだ。
■「木製マルチトレイ(B4サイズ)」商品詳細
価格:770円
原産国:中国
材質:ラバーウッド(ラッカー塗装)、MDF
商品サイズ:W36.4cm×D25.7cm×H2.0cm
■「カコミ レクタングルプレート LL ホワイト」商品詳細
価格:770円
原産国:タイ
材質:陶器
商品サイズ:縦18cm×横27cm×高さ2cm
■「カコミ ワイドプレート ブルー」商品詳細
価格:550円
原産国:タイ
材質:陶器
商品サイズ:縦8.3cm×横26.5cm×高さ2cm
■「カコミ レクタングルプレート S ブルー」商品詳細
価格:110円
原産国:タイ
材質:陶器
商品サイズ:縦5.5cm×横8.5cm×高さ2cm
■「カコミ スクエアボウル S ホワイト」商品詳細
価格:220円
原産国:タイ
材質:陶器
商品サイズ:幅8cm×高さ3cm
■「カコミ 小鉢 ブルー」商品詳細
価格:330円
原産国:タイ
材質:陶器
商品サイズ:160ml 直径10cm×高さ5cm
■「PON 徳利 1合」商品詳細
価格:330円
原産国:タイ
材質:磁器
商品サイズ:直径5cm×高さ12.7cm
■「PON 杯 S」商品詳細
価格:110円
原産国:タイ
材質:磁器
商品サイズ:直径5cm×高さ4cm
■「豆皿(籠目)」商品詳細
価格:110円
原産国:中国
材質:磁器
商品サイズ:直径9cm×高さ2cm
■「Standard Products by DAISO」について
ダイソーを運営する(株)大創産業が、2021年3月にスタートした新業態で、「スタンダードプロダクツ」「スタプロ」と略すことが多い。「ちょっといいのが、ずっといい。」をコンセプトとし、数百円の価格帯をメインに生活雑貨全般を取り扱う。2023年8月時点で、日本各地で70店舗あまりを展開。
撮影・文/鈴木拓也