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羽田~成田間を15分で移動できたかも!?実現してほしかった関東の未成線TOP5

2023.08.02

私たちの生活になくてはならない鉄道路線。関東圏では既に十分過ぎるほど多種多様な路線が張り巡らされているが、その盤石な陣容に、かつて計画されながらも実現されなかった“幻の路線”が加わる予定だったのをご存じだろうか?

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」はこのほど、計画されながらも実現されていない鉄道路線「未成線」の関東人気No.1を決める「実現してほしかった未成線ランキング(関東編)」の結果を発表した。

本ランキングは、関東の主要な12の「未成線」について、一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女1,100人にアンケート調査を実施し、そのなかでも得票数の多かった「実現してほしかった未成線」を順位付けしたものだ。

東京山手急行電鉄に成田新幹線!? 実現してほしかった未成線ランキング(関東編)

【1位】羽田空港と成田空港を15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」

羽田空港と成田空港の間は、電車であればエアポート快特・アクセス特急で約1時間40分、途中乗り換えが必要な京成スカイライナーを利用しても1時間10分以上はかかる。今回の調査で1位となったのは、そうした不便を解消する、羽田空港~成田空港をリニアモーターカーが約15分で結ぶ「羽田・成田リニア新線構想」だ。

両空港間のアクセス強化はもちろん、首都圏各地からの空港アクセスも改善することで国際競争力をつけようというものだが、高額な事業費などから計画は具体化していない。また、横浜市・さいたま市と、首都圏第3の空港として横田飛行場への路線拡大も構想されていた。

<アンケートに寄せられた声>
・乗り継ぎが楽になりそう
・成田空港が使いやすくなり、羽田空港の混雑緩和につながる
・インバウンド需要もあると思う

【2位】山手線の外側に環状線を計画した「東京山手急行電鉄」

大正時代には、山手線の外側に“第二の山手線”ともいえる環状鉄道「山手急行電鉄」が計画されたが、昭和初期の不景気で資金が集まらず、実現しなかった。郊外へ放射状に延びる路線同士をつなぐ計画だったことから、実現していれば、一度都心のターミナル駅を経由しなくてはならない移動の近道になっていたかもしれない。

<アンケートに寄せられた声>
・東京西部は南北の移動が困難
・城東地区は縦の路線が無く不便
・満員電車の緩和にもなりそうだし、車の外環のように便利そう

【3位】東京駅と成田空港を新幹線が結ぶ「成田新幹線」

新幹線の未成線である「成田新幹線」は、都心から離れた成田空港へのアクセス路線として期待された路線だったが、反対運動などによって実現しなかった。起点となる東京駅は現在の京葉線地下ホームの場所にできる予定で、そこから30分で成田空港に到着する計画だった。今も、千葉県を走る北総鉄道の横には、成田新幹線が通る予定だった広大な土地が残されている。

<アンケートに寄せられた声>
・これからは国際線の利便性が重要
・街から距離がある以上、特別感を持って移動をしたい
・都心への移動が容易になれば成田空港の稼働率も上がると思われる

【4位】葉山や三崎港へ電車でいける「湘南電気鉄道(現:京浜急行電鉄)三浦半島循環線」

浜急行電鉄の前身となる湘南電気鉄道が、神奈川県の三浦半島を循環する路線を計画したが、免許を取得した5日後に関東大震災が発生するなど逆風に見舞われ、そのほとんどが実現しなかった。実現していれば、マグロの町として知られる三浦半島西南端の三崎港や、海と山に囲まれた自然豊かな葉山など、現在、車やバスでしか行けない場所へ電車で行けるはずだった。

<アンケートに寄せられた声>
・三浦半島は車でないと回れないので不便
・三浦半島の交通渋滞も緩和されそう
・部活の遠征のときも、元々本数が少ないバスが渋滞でなかなか来なくて大変だった

【5位】国分寺から多摩川に沿って南下する「池上電気鉄道(現:東急電鉄)国分寺線」

池上電気鉄道は、現在の東急池上線を開通させた電鉄だ。池上線に続いて、雪ヶ谷(現:雪が谷大塚)から国分寺に向けて路線を計画するが、ライバル企業によって行く手を阻まれてしまう。実現していれば、鉄道のない多摩川の東側が鉄道で結ばれるほか、JR中央線沿線から東京・城南エリアへの短絡ルートとなっていたかもしれない。

<アンケートに寄せられた声>
・中央線の利用者として価値があると感じた
・東京の市部の南北を結ぶルートが不便だから
・埼玉の川越から国分寺までの南北は西武線でつながっている。もっと南進することができるなら、埼玉と神奈川をつなぐ重要な路線になりえそう

【6位以下】少し不便な移動が便利になりそうな路線も

2023年3月に東急・相鉄直通線が開業し、横浜市西部から東京都心部へのアクセスが大きく向上したように、東京都市圏は郊外鉄道と地下鉄の相互乗り入れなどで世界的にも充実した路線網を築いてきた。

TOP5にランクインした未成線以外にも、都営新宿線に直通することで千葉ニュータウン住民の通勤の足となるはずだった「千葉県営鉄道北千葉線」や、新京成線の都営浅草線への直通をめざした「新京成松戸柴又線」、中央線に乗り入れることで、小田急・京王に次ぐ第三の多摩ニュータウン通勤路線として計画された「西武多摩川線 多摩ニュータウン延伸」など、他社線への乗り入れを前提とした多くの路線が計画されていた。

そのほか、川崎市西部の新百合ヶ丘と川崎を結び、川崎市内の移動を便利にすることが期待された「川崎縦貫高速鉄道」や、東武大師線を延ばして西新井と上板橋を繋げる「東武西板線」といった、少し不便な移動が便利になりそうな路線も構想されていた。鉄道によって人の流れや街の役割は変わる。残念ながら未成線となったこれらが開業していれば、今とは少し違った都市の姿があったかもしれない。

<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年7月11日~7月13日
対象者:一都三県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女
有効回答数:1,100人

出典元:LIFULL HOME’S

構成/こじへい

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