災害級ともいわれる暑さにより熱中症などの健康被害に注意が必要な日々が続いている。そんな中、ヘルスケアアプリ「HELPO」を展開するヘルスケアテクノロジーズが熱中症の予防・対策、対処方法について同社医師・看護師による解説を発表したので紹介しよう。
熱中症の専用相談窓口もあるアプリ「HELPO」を担当する医師・看護師が解説!
熱中症の原因や予防のポイントは?
熱中症の予防方法や注意すべき点について、24時間365日チャットで健康医療相談ができるヘルスケアアプリ「HELPO」で相談に応対している医師・看護師に聞いた。
教えてくれたのは…
加藤 卓浩 医師(ヘルスケアテクノロジーズ所属)/左 松尾 祐吾 看護師(ヘルスケアテクノロジーズ所属)/右
熱中症の症状
一口に熱中症と言っても、その重症度や症状によって以下のように分類されます。症状に合わせて、適切な対処方法をとりましょう。
■軽症(熱失神・熱痙攣)⇒涼しい場所で水分補給
大量に汗をかくとともに以下のような症状が現れます。めまい、立ちくらみ、顔色が悪い、こむら返り、筋肉痛 など
■中等症(熱疲労)⇒病院受診を
全身のだるさ、脱力感、頭痛、吐き気・嘔吐、ごく軽い意識障害
■重症(熱射病)⇒すぐに救急車を
意識障害、反応が鈍い、言動がおかしい、けいれん
※この時点では汗はかいておらず、皮膚は乾燥しています
熱中症の予防方法
熱中症の予防に関する6項目は下記の通り。特に1と6について、詳しく説明します。
1.暑くなりにくい装いを
・ゆったりした衣服を着る→風通しを良くし、熱を逃がしてくれるため。
・吸汗/速乾性の素材を着用する→汗が乾く時の気化熱で、熱を逃してくれるため。
・熱/日光を遮断するため、日傘や帽子を利用する→黒色系の衣服は避けて、日傘や帽子を利用する。
2.暑い場所や激しい運動を避ける
3.冷房設備を適切に使用
4.適度な休息と栄養
5.体を暑さに慣らしておく
6.発汗材料は水分と塩分
・のどが渇く前に、こまめに水分補給をする→のどの渇きを感じるのは、ある程度の脱水症状になってからのため。
・起床/入浴前後は意識的に水分補給をする→睡眠・入浴中は補給が難しく、自覚のない発汗も多いため。
・ノンカフェイン、ノンアルコールの飲料で水分補給をする→利尿作用のあるカフェインやアルコール飲料は、水分補給にならないため。
・1日の水分目標は1.2L→発汗が多いときは、1.2L より多めに水分補給をする。
・塩分摂取も忘れずに→発汗が多いときは塩分も多量に失われているため、スポーツ飲料や経口補水液などが有用。
また、以下のような方は特に熱中症に注意が必要です。
朝ごはんを食べない人は、要注意!
意外かもしれませんが、必要な水分の半分を食事から摂っています。食事を抜くということは、この大事な水分摂取の機会を失っていることになります。また、寝ている間に失う水分は500〜600mlにもなります。朝食を抜くと、活動に必要な水分だけでなく、睡眠中に失った水分の補充もできていないため、熱中症になる危険性が高まります。
ベビーカー内の乳幼児は、要注意!
子どもは大人と比べて背が低く、地面からの照り返しの影響を強く受け、体感温度が大人よりも2〜3℃高くなることがあります。また、ベビーカー内は熱がこもりやすく、形状によっては表情が見えにくくなるので注意が必要です。
室内でも油断厳禁!
意外かもしれませんが、熱中症が最も発生しているのは住居、つまり室内です。室内にいると、外で活動している時に比べると熱中症への意識が薄れがちです。特に、リモートワークなどで作業に集中していると、室温変化に気付けなかったり、水分補給が疎かになったりしがちです。室温や湿度、こまめな水分摂取には十分気をつけましょう。
なんとなく体調不良?実は熱中症かも…!
なんとなく体調が悪い→風邪かな?と考える場合に、実は軽い熱中症だった…という事も考えられます。また、風邪に熱中症を合併したり、熱中症後に風邪を発症するというパターンもあり得ます。
チェック項目としては、
・鼻水、せき、たん、のどのいわゆる風邪症状があるか?
・水分は取れているか?/尿は出ているか?
・どのような状況にいたか?(暑い環境だったか?周囲に同じような症状の人はいたか?)
といったものがあります。判断や対処法、受診をするべきかを迷った場合は、ヘルスケアアプリ「HELPO」の機能「健康医療相談チャットサービス」のような24時間365日対応の健康医療相談サービスを活用し、専門家に相談をすることもおすすめします。
関連情報:https://healthcare-tech.co.jp/
構成/ob1