転職する上で、新たな職場に求める条件は人によって様々だ。では、若手・中堅社会人は転職時にどの程度、年収を重視するのだろうか。また、彼らは新天地を検討する際、どんな不安を抱えているのだろうか。
就職・転職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークはこのほど、「若手・中堅社会人の転職活動に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
6割以上が転職経験あり。そのうち半数以上が3年以内の転職であることが明らかに
「転職したことがある」と回答した数の割合は、全体の62.5%を占める結果となった。直近3年以内の転職者に絞ると、その割合は33.6%となった。「転職したことはない」と回答した人は前回より4.4%減少していることから、転職者は微増したことがわかる。
「転職で年収アップ」よりも、「希望条件が叶うこと」が第一
転職する際の年収に対する考え方について聞いたところ、最も多い回答は「希望条件が概ね叶えば現年収同様でも良い」だった。全体として次いで多かった「希望条件が叶わなくても年収が上がる事が優先である」は転職経験者の回答がやや多い傾向にあった。
転職検討時に抱く不安は「新しい職場で良い人間関係が築けるか」
「転職を考えるにあたって感じる懸念や不安」を聞いたところ、「希望にあった仕事が見つからないかもしれない」に次いで「新しい職場で良い人間関係が築けるか不安」が多い結果となった。また、転職未経験者は全体的に転職経験者より多くの懸念や不安を感じる傾向が浮かび上がっている。
入社先の企業文化に関する情報収集について、「できた」と回答したのはたったの3割程度
転職経験者に対して入社前にどの程度の情報収集ができたか聞いたところ、「業務内容」に対しては半数以上が「収集できた」と回答した一方で、「企業文化」に対しては、約7割が「どちらともいえない」「収集できなかった」と回答した。
考察
前回2022年12月に行った調査と比較すると、転職者は微増した結果となった。有効求人倍率が徐々にコロナ前の水準へと回復する経済動向の下、新卒一括採用の廃止・ジョブ型雇用の推進など、雇用の流動化を推し進める動きも加速しており、今回の調査ではその変化の兆しを感じる結果となった。
一方で、転職に際しての不安は様々あることも明らかになっている。今回の調査では、多くの人が「新しい人間関係づくりへの不安」を抱くことがわかった。また、そうした求人票には記載されていない情報は、事前に収集しにくいという傾向があることも明らかになった。
様々な制度改革などに後押しされた意識の変化もあり、転職へのハードルは年々下がり、過去と比較すると転職のしやすさは高まっているように見受けられる。一歩で、「ミスマッチの軽減」「人材の定着」に関する重要性は今後ますます高まっていくのではないだろうか。こうした動向においては、より一層リアルな企業実態を求職者に共有することを示す「Realistic Job Preview」の重要性も高まっていくように考えられる。
<調査概要>
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:1都3県(東京/神奈川/千葉/埼玉)、中京(愛知/岐阜/静岡)、関西(大阪/京都/兵庫)、福岡県
に在住の24~34歳男女
調査期間:2023年6月13日~16日
有効回答数:約2,500名
出典元:OpenWork
構成/こじへい