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認知機能にとって運動と睡眠の両方とも大切、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン研究報告

2023.08.02

運動と睡眠の双方が認知機能にとって大切

運動が加齢に伴う認知機能低下を抑制するように働くと考えられているが、この働きを十分発揮させるには、睡眠時間をしっかり確保する必要があるようだ。

約10年間の観察期間中に、身体活動量が多くても睡眠時間が短い人は、認知機能低下が速かったとするデータが報告された。

英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMikaela Bloomberg氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Healthy Longevity」2023年7月号に掲載された。

Bloomberg氏によると、「睡眠や身体活動と認知機能との関連についてのこれまでの研究は横断的研究がほとんどであり、因果関係は不明だった」という。

それに対して今回の研究では、英国で2008~2019年の間に2年ごとの追跡調査が行われた、加齢に関する縦断的研究のデータが解析に用いられた。

50~95歳で認知機能が正常な8,958人を、睡眠時間については6時間未満、6~8時間、8時間超の三つのカテゴリーに分け、かつ、身体活動量の多寡で二分して、合計6群に分類した。

認知機能は、示された10個の単語を時間を置いてから思い出すテストや、1分間で動物の名前をできるだけ多く挙げるテストによって評価。身体活動量が多く睡眠時間が6~8時間の群を基準として、他の群の認知機能を比較検討した。

結果について、まずベースライン時点の認知機能については、睡眠時間が短く身体活動量が少ない群、睡眠時間が長く身体活動量が少ない群は、基準の群より有意にスコアが低いことが分かった。

一方、睡眠時間が短くて身体活動量が多い群の認知機能のスコアは、基準の群と有意差がなかった。

次に、中央値10年(四分位範囲2~10)の追跡後の認知機能スコアを見ると、睡眠時間が短く身体活動量が少ない群、睡眠時間が長く身体活動量が少ない群はやはり、基準の群より有意に低スコアだった。

さらにそれだけでなく、睡眠時間が短くて身体活動量が多い群も、基準の群との間に有意差が生じていた。つまり、身体活動量は多くても睡眠時間が短い場合は、10年の間に認知機能の低下が速く進んでいたと考えられた。

なお、年齢層別に見た場合、50代、60代の人にこの結果が当てはまり、70歳以上の場合は睡眠時間が短くても身体活動量が多い場合は、10年後の認知機能に基準の群との有意差が生じていなかった。

論文の上席著者であるUCLのAndrew Steptoe氏は、「中年期以降の認知機能の保護に働く因子を特定することが重要である。それらの因子への介入によって、一部の人が認知症と診断される時期を遅らせることが可能だ」と述べている。

また、「世界保健機関(WHO)は、認知機能を維持する方法の一つとして、すでに身体活動を挙げているが、認知機能に対する長期的なメリットを最大化するために、睡眠習慣も考慮に入れる必要がある」と付け加えている。

なお、本研究の限界点の一つとしては、研究参加者の睡眠時間と身体活動量を客観的な指標ではなく、本人の自己申告によって判定している点が挙げられるという。(HealthDay News 2023年7月7日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/journals/lanhl/article/PIIS2666-7568(23)00083-1/fulltext

Press Release
https://www.ucl.ac.uk/news/2023/jul/lack-sleep-lessens-cognitive-benefits-physical-activity

構成/DIME編集部

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