サブスクはより緩やかな条件
Twitterはそれに先駆け、サブスクリプションを世界各地で展開している。
サブスクの条件は広告収益分配に比べると、遥かに緩やかだ。
・Twitter Blueまたは認証済み組織にサブスクライブしている
・500人のフォロワー
・過去30日間アクティブ
・18歳以上である
インプレッションの条件はないため、とりあえずフォロワーを500人集めることに成功すればサブスクを開始できる。
ただ、現実問題として500人程度のフォロワーしか抱えていないユーザーがサブスクでまとまった利益を得ることは難しい。Twitterにおいて、ユーザー数500人というのはまだまだ「一般市民レベル」である。
もしもそのユーザーがサブスクで利益を計上できるようであれば、そのユーザー数は500人どころではないはずだからだ。名も無き素人のツイートに月額料金を支払う者は少ない。
逆に言えば、今の時点で数万以上のフォロワーを抱えているユーザーには多大な恩恵があるだろう。
そう簡単には稼げない!
これらの収益化プログラムは、やはり名実共に備わっているクリエイターに向けたものであるということが窺える。
言い換えれば、自前の創作物を定期的かつ無尽蔵に公開できるTwitterユーザーだ。
故にこの場を借りて読者の皆様に警告しておきたいのは、これから雨後の筍のように現れるであろう「Twitterの広告収益で不労所得をゲットしよう!」という内容のオンラインサロンや情報商材に飛びついてはいけないということだ。
YouTubeの収益化プログラムもそうだが、広告収益で一山当てる人は「当初から一芸に秀でている」からそうなった。かなり酷な書き方をすれば、披露できる一芸もしくは知識がないにもかかわらず「Twitterの広告収益で稼げる」ということはまず起こり得ないと考えていいだろう。
「隠れた才能」を発掘するSNS
とはいっても、人の世は恐ろしい。会社の中の窓際族が、もしくは学校でいじめられている生徒が、実は人並み外れた才能の持ち主だったということはしばしばある。
才能に恵まれた人物が、その才能に見合った報酬もしくは収益を複雑な手続きなく受け取る。
才能を発揮するために誰かに弟子入りしたり、芸能事務所に入社したり、業界の中の上下関係やヒエラルキーを気にすることもない。「才能の結果作品」を直接ファンやユーザーに送り届ける場所は、まさに我々が欲していたものではないか。
その上で、冒頭にも書いた通り日本は「Twitter好きの国」である。
Twitterを通してその才能を発揮し、巨利だけでなく世界的知名度を得る日本人が今後続出する可能性は少なくないのではないか。
そして実際にそうなった時、Twitterは単なる「つぶやきの場」ではなく世界各地からいつでもアクセスできる「劇場」もしくは「美術館」のようになっていくだろうと筆者は思案している。
【参考】
Creator Ads Revenue Sharing-Twitter
https://help.twitter.com/en/using-twitter/creator-ads-revenue-sharing
取材・文/澤田真一