ビー・エム・ダブリューは、燃料として水素を活用し、水素エネルギーにより発電し電気を電池に蓄え、電気によりモーターを駆動させて走行する燃料電池実験車両「iX5 Hydrogen(アイエックスファイブ・ハイドロジェン)」の日本における公道走行を今年年末までの期間、実証実験を行なうことを発表した。
BMWグループは、動力源として可能な限りの複数のパワートレインを提供する、プレミアム・ブランドに特化した自動車メーカーであり、高効率ガソリン・エンジン搭載車、クリーン・ディーゼル・エンジン搭載車、外部からの充電も可能なプラグイン・ハイブリッド・システム搭載車、電気モーターによるアシストを得られる48Vマイルド・ハイブリッド・システム搭載車、電気のみで駆動する電気自動車をラインアップし、販売を行なっている。
今回の燃料電池車は、新たなるパワートレインの1つとして注目を浴びている車両であり、BMWグループは、2011年よりトヨタ自動車と燃料電池車の基礎研究を共同で行なっている。
水素を燃料とする燃料電池車は、燃料の充填に時間を掛けずに、長距離走行可能となることが最大の特徴の1つであり、燃料電池実験車両「iX5 Hydrogen」の場合、燃料である水素が空の状態から、約3分程度の水素の充電で、約500kmもの長距離を走行する事が可能となる。
さらに同モデルは、BMW X5をベースにした燃料電池車である。X5は、優れたオフロード性能、日常での高い機能性、路面での高いパフォーマンスを融合した「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」の先駆的モデルとして、1999年に誕生したモデルである。
BMWグループは、2020年代後半に燃料電池車を市場投入する予定であり、その実現に向け、ドイツやアメリカの主要国において、「iX5 Hydrogen」を走行させ、実証実験を実施しているが、今回、車両に対する顧客要求が高い日本においても、公道での実証実験を実施する事になった。
この日本における実証実験においては、日本各地にて実際に車両を走行させ、様々なデータを取得すると共に、官公庁や行政機関、大学を訪問し、各方面の専門家の視点から製品に対するフィードバックを貰い、それら全てをドイツにあるBMWグループ本社に送り、製品開発に役立てるとしている。
構成/土屋嘉久